予期する痛みは大きくなる、忘れれば小さくなる

同じ痛みでも、予期された痛みよりも 突然襲われる痛みの方が楽なようです。

私は 自己啓発の本を読んだりするのが結構好きだったのですが、その中で ミルトン・エリクソンという人の話も印象に残っています。 (自己啓発は 今でも細々とやってます)

このミルトン・エリクソンという人は 精神科のお医者さんでしたが、人間観察と催眠が 天才的に上手だったようです。

「アンコモンセラピー」という本の中で そのエリクソンが 末期癌の患者のところに呼ばれて、10分おきに襲ってくる 苦しい痛みから解放してあげたという話がありました。

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患者の状態は

  「患者は10分おきに襲ってくる鋭い苦しい痛みばかりか、
   強く鋭く脈打つような痛みが常にあると訴えていました。」

とのことでした。

そこで、ミルトン・エリクソンがお得意の催眠で

   ・10分おきの鋭い痛みを 催眠で忘れさせる
   ・10分間の痛みのない時間を 長く感じさせる

の2つをやったそうです。

ちなみに、ミルトン・エリクソンの催眠方法は 普通に考えられている

  「あなたは 眠くな~る」

なんていうことはしないで、

普通の会話をしているうちに 知らない間に催眠に入っている という方法がよく使われたようです。

そして その催眠の結果 末期癌の患者は

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  「鋭い痛みを体験してもそのたびにたちまち忘れてしまい、
   その結果次の痛みは常に予期せぬ体験になりました。
   予期も想起もされないので、痛みは感覚のひらめきの
   ような瞬間的な体験になりました。」

全く予期していない時の突然の痛みって、確かにあまり痛みを感じないですよね。
痛いというより、何が起きたんだろう? っていうビックリの方が先ですね。
そして、

  「患者は、催眠のおかげで痛みがほとんどなくなり、
   身体は重く弱くだるく感じられ、どんな痛みも
   1日に2回以上は「押し入って」こないと報告しました。
   数週間後、彼は昏睡状態に陥り亡くなりました。」

どうやら 痛みは予期するから より痛むということでしょうか。

全く思いがけない 突然の痛みは びっくりするほうが強くて、それほど痛くは感じないようです。

ところでこれ 反対に いいことに関してもあるみたいです。
たとえば 美味しいものを食べるとき、それを目の前にしただけで 美味しさを予期してしまい、口に入れる前から美味しく感じてしまうという話もありました。

苫米地英人さんという方は 「プライミング効果」 って呼んでいました。

こうしてみると、ときどき聞く言葉で

  「人は 決心した分だけ 幸せになれる」

というのが 分かるような気がします。

いつも いいことを予期してしまえば、幸せに近づくのかもしれません

参考

  (予期する痛みと忘れること)

  (ダイエット・逆転の発想)

  (エリクソンという人)

  (エリクソン催眠誘導)

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