ダイエット・逆転の発想

私の自己啓発系の勉強の中で知った、アメリカの精神科医

  ミルトン・エリクソン

という人にまつわる話の中で、とても印象に残っているのが、

  ダイエットの処方として

  いったん体重を増やす

という逆転の発想でした。

少年時代に小児麻痺で、一時期、体が眼以外全く動かせなくなってしまったおかげで、人間観察力が並外れて得意になったという経歴を持ち、催眠もとても得意な人でした。

  (予期する痛みと忘れること)

そのエリクソンのもとに痩せたいという患者がやってきた時のエリクソンのやり方のひとつが、いったん体重を増やすという逆転の発想でした。

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ダイエット・体重は減-増-減

エリクソンはやってきた患者の様子を観察することで、その人に応じたいろんなやり方をとりましたが、ここではその中のひとつ、

  減-増-減

についてです。

ある女性がエリクソンのところにやってきて言うには、体重が180ポンド(82キロ)あり、減量して130ポンド(59キロ)に減らすことができるが、それが成功すると喜んで祝杯をあげてしまって、再び180ポンドに戻ってしまう。

何回130ポンドに減らしても、すぐにまた180ポンドに戻ってしまう。これを何とかならないか、ということでした。

そこでエリクソンがやったのは、医師の指示(処方)として、

  私のこの体重計で
  体重を200ポンドまで
  増やしなさい!

ということでした。

恐怖におののいた彼女でしたが、なにせ医師の処方なうえ、どんな処方でも受けると最初に約束させられていたので、断れません。

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さっそく催眠に誘導されて、体重をせっせと200ポンドまで増やさざるを得ないことになってしまいました。

190ポンドになった頃は彼女はもだえ苦しみ、199ポンドになった時は、

  もうほとんど200ポンドなので
  減らしてもいいでしょう!

と抗議をしたのですが、頑として受け付けてもらえませんでした。

そしてとうとう200ポンドになって、体重を減らしてもよいと許可が出た時、彼女はとても幸せでした。

嬉しくて、体重を130ポンドまで減らした後は、二度と増えなかったということでした。

ミルトン・エリクソンのやったこと

ダイエット成功の要因はきっとたくさんあったのでしょうが、普通はダイエットは辛いことで、反対に食事を美味しく食べるのは楽しいこと、というのが一般的です。

この関係にメスを入れて、

  体重増 = 恐怖

  体重減 = 喜び

の関係を結びつけたことがいちばんの要因だったように思います。

それともうひとつ大きな要因は、体重を増加させることが、

  他人からの強制

だったことも挙げられるでしょう。つまり、「医師ミルトン・エリクソン」からの強制です。

この強制は、催眠を利用してまでの強制だったので、かなり強力なものでした。これで体重の増加に対して強い恐怖と嫌悪の感情が湧いたんだと思います。

人は外部からの力には反射的に抵抗するという「防御反応」があるので、こういう結果につながるんですね。

エリクソンの言葉では

  彼女はかって体重を減らさなければ
   ならないことに憤慨していたように

  彼女が体重を増やさなければ
   ならないことに憤慨する

状況になったとのことでした。エリクソンお得意の人間観察力で見抜いていたんでしょうね。

そして、いちどこの状況ができあがると、その後は自動的に継続することになります。

エリクソンはこの

  「習慣」

の力をとても重要な力として扱っています。

この「習慣」=「行動パターン」の力は、「影響力の武器」という本では

  「カチッサー」

と表現されていました。

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