介護は、ファンタジー 認知症介護 大谷るみ子

いま、私は放送大学の科目「認知症と生きる」を受講しています。

そしてつい最近、認知症に関するテレビ番組

  「ガッテン!
   認知症の人が劇的変化!
   アイコンタクトパワー全開」

という番組を見て、以前テレビで放送された番組、「プロフェッショナル」

  「介護は、ファンタジー
   認知症介護 大谷るみ子」

を思いだし、再度観ました。

2008年の11月の放送なので、もう10年も前になります。

そして、当時感じた心の高鳴りを、いままた感じてしまいました。

大谷るみ子さんの認知症介護に真摯に向き合う姿勢が、本当に印象的でした。

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印象的な言葉がたくさん

この番組の中で、最初の印象に残った言葉です。

  だが大谷は
  ひとつのことをよりどころに
  お年寄りと向き合う

  「心は、生きている」

  認知症になって
  さまざまな能力が失われても、
  多くの人に
  「感じる心」は残っている

「感じる心」というのは、命そのものだと私は感じています。

また、認知症の人の心の内を探る時、大谷さんが大切にしている流儀のことを

  「相手の世界におじゃまする」

と表現していました。素晴らしい言葉です。

そして、認知症の人の言葉のひとつひとつを、ある思いをもって受け止める、その「思い」とは

  「あなたはとても大切な人」

この思いでお年寄りに接していたことが、番組の中からよく分かりました。

ナレーションでは、

  たとえ認知症が進んでも
  その心は生きている

  心に正面から向き合えば
  穏やかな日々を取り戻せる

という紹介がありましたが、福岡大牟田にあるという、大谷さんがホーム長を務めるグループホームでは、みなさん穏やかな表情でした。

そして笑顔も見えていました。

大谷さんが、北欧デンマークの認知症介護のあり方を知ろうとして、デンマークに行ったときに聞いた言葉、

  人はみな、それぞれ
  人生のリュックサックを背負っています

  その中身を知らなければ
  認知症の介護はできません

この時大谷さんは認知症になっても、人は穏やかに暮らすことができるのだ、ということに気づいたとのことでした。

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その「人生のリュックサック」について、大谷さんは

  「人生のリュックサック」

  グループホームに、みなさんは
  自分の人生のリュックサックを
  背負って来る

  そのリュックサックの中から
  いろんな出来事、悲しいこと
  辛いこと、ひもじいこと、楽しいこと、

  それらのいろんなものを見つけること
  引き出すことから介護は始まる

と話してくれました。でも中身を見るのはなかなか大変なのではという質問には、次のように話してくれていました。

  本人の語りやお話しに
  耳を傾けることで、
  分かることがあります

  「昔はこんなだったのよ、とか
   こんなとこに遊びに行ってたのよとか」

  耳を傾ければ分かることがいっぱいあります

そして、

  認知症になると分からないことが増えるので
  できるだけ自分に馴染んだものを探したり

  馴染んだ暮らし方だと、
  できることがたくさんあります

  たとえば本を読めなくても
  音楽を楽しんだり、自分なりに
  大好きな時間を過ごすことができたら
  それでいいかな

こんなに真剣にお年寄りに向き合ってくれる人がいたら、確かに笑顔の絶えないグループホームになりますね。

そんな大谷さんが、新人のスタッフに話すことは、お風呂の介助やトイレの介助といったことそのものが仕事なのではなくて、

  「心をかけること」

が本当の仕事なのだ、ということでした。

番組の最後の場面でのこと、新人スタッフが感情をややあらわにしてしまった秀子さんについて行きました。

  森田は秀子さんの話に
  ただひたすら耳を傾ける
  意味は分からない
  しかし、向き合い続ける

  秀子さんに

   笑顔が浮かんだ

この場面は、いつ見直しても感動してしまいます。

参考

  (認知症と生きる

  (認知症の思わぬ脅威)

  (こころと脳に違いはあるのか)

追.

  テレビ番組 「ガッテン!」 で、認知症介護の時の
  「アイコンタクト」 の重要性を特集していました。
  その目でこの番組を見直すと、
  大谷さんは、確かに認知症の方の正面から
  アイコンタクトをしっかりと取っているように見えました。

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