クリスマスキャロル、スクルージの性格を知ろう

クリスマス・キャロルの主人公、エベニーザ・スクルージの人生はどうだったんでしょうね。

金貸し業を営んでいるスクルージは、ちまたの話では、

  冷酷無慈悲、守銭奴、エゴイスト
  ケチで意地悪な老人

さんざんな言われようなんですが、どうなんでしょうね。

でも、確かに

  家族も友達もいない、

  心はひえびえと冷たい

通りを歩いていても、だれひとり彼に微笑みかけて

  こんにちは、スクルージさん
  お元気ですか?

なんて声をかけてくれる人なんかいないし、さらには、

  盲導犬さえ、ご主人様を
   彼に近づけないようにした

という、何ともものすごい人なんですね。

スポンサーリンク

スクルージの生い立ちを、子ども時代から見せてくれます

三人の精霊(Spirits)がスクルージの前に現れて、スクルージに過去の世界や

未来の世界を見せてくれます。

最初の精霊が連れて行ってくれたのは、スクルージにとって懐かしい、子ども時代でした。

懐かしい少年たちの顔を見るスクルージの目は輝き、胸がはずみ、

少年たちの

  「メリークリスマス!」

の声に、思わず微笑んでしまう、心配も、思いも、喜びも、望みもある、ごく普通の少年でした。

でも、クリスマス休暇で他の子どもたちが家に帰る時、エベニーザ・スクルージ少年は、

たった一人で学校の寄宿舎に残るのでした。

友達に置いて行かれ、たった一人で本を読むスクルージ少年が窓の外に見た

  アリババ、
  お兄さん
  ロビンソン・クルーソーのオウム
  フライデー

たちは、いったい何だったのでしょうか?

そんな子どものころの光景を見る、いまのスクルージは

  ネズミの音
  水の音
  風の音
  ドアの閉まる音

を聞きながら、泣いたり笑ったりしながら、少年時代の感情と記憶を思い出していました。

次に見るのは、もっと成長した

  「若きスクルージ少年」

でした。

またクリスマス休暇の季節、他の少年たちが家に帰ってしまった後も、

厳しいお父さんに、家に帰ることを許してもらえず、またたった一人で寄宿舎にいたのですが、

突然、妹のファンがやって来て、

  「迎えにきた!

   家に帰ってもいいって!」

兄のエベニーザに抱きつき、キスをしたのでした。

クリスマスをお兄さんと一緒に迎えて、楽しく過ごすことができる、と大喜びでした。

妹のファンはお兄さんが大好きでした。お兄さんのエベニーザも妹のファンが大好きでした。

でも、その妹はいまは亡くなっているのです。でも、息子のフレッドがいます。

フレッドは今でもおじさんのエベニーザが好きです。慕っているのです。

スクルージも働くことで社会に出て行く

妹のファンが、お父さんのことを

  今じゃ父さんも
   優しくなった

と言っていましたが、きっと年老いて、しばらくして亡くなったのかもしれませんね。

そんなスクルージが初めて働いたのは、フェジウィッグじいさんの卸売りを営む店で、住み込みで働いたのでした。

フェジウィッグじいさんは優しいじいさんで、クリスマスには働いている人たちを集めて、ゲームにダンスに、食べ物、飲み物、ビールなどで楽しませてくれました。

スポンサーリンク

フェジウィッグじいさんは、後のスクルージにとって、いい手本になったんでしょうね。

そして、
このスクルージもあるとき恋をしました。

けれども愛する女性ベルには、スクルージはもう自分を愛してはいない、

と感じたようでした。

スクルージにとっては、お金がすべてのようでした。そして二人は別れることになったのです。

スクルージにとって、信じられるのはお金だけになってしまったんでしょうか?

でも精霊は、別れた後のベルの幸せな生活をスクルージに見せます。

娘夫婦や孫たちに囲まれて、幸せに過ごしている様子でした。

精霊はどうしてスクルージに、昔の恋人ベルのことを見せたんでしょうね。

  「ベルは幸せに暮らしているよ」

と安心させたかったんでしょうか? それとも、

  「お前は失敗したんだぞ!」

と言いたかったんでしょうか?

でも、この家の主人の男が「古き良き友」と言った時、ベルはすぐに

  「エベニーザ・スクルージ」

の名前を挙げました。

ベルはスクルージのことを、ずっと覚えていたんですね。

その頃、スクルージは相棒のマーレイが亡くなりそうで、一人で寂しく仕事をしていました。

この家の主人の男は、

  「エベニーザはこの世でひとりぽっちだった」

と言っていたのでした。

2番目の精霊はサンタクロース?

2番目の精霊は、スクルージを使用人のボブ・クラチットの家に連れて行ってくれました。

これは、フェジウィッグじいさんのところでスクルージが、「クレチットのところに行きたい」

と言っていたからかもしれませんね。

ところで、
話はちょっと変わるのですが、

2番目の精霊は、「緑の長い服を着た巨人」とのことでした。

イギリスでは、サンタクロースのことを

「ファーザークリスマス」

と言って、伝統的には緑の服を着るんだそうです。

もしかしたら、この2番目の精霊はサンタクロース(ファーザークリスマス)だったのかも

しれません。

さて、

ボブ・クラチットの家でスクルージが見たものは、スクルージにとってはとても憧れる光景でした。

楽しくて平和な光景、そして体の弱いティム坊やを見つけると、死んだりしないかと、

とても心配をしていました。

こうしてみると、エベニーザ・スクルージという人は、

やっぱり、どこにでもいるごく普通の人という感じです。

最後に

一時は死んでしまうんじゃないか? ととても心配だったティム坊やが

実際は生きていたことが分かり、スクルージはとても喜びました。

そしてスクルージは改心し、クラチットの給料もあげ、七面鳥も贈り、

貧しい人々への寄付もしました。

めでたしめでたし、ということです。

と、
ここでちょっと老婆心ながらの心配なんですが、

スクルージさん、あまり気前良すぎて会社を倒産させない程度にした方がいいのかも…

こんどは、

「放漫経営」

なんて言われてしまわないように「ご注意」して欲しいところです。

そして、さらに最後に、

この、意地悪なじいさんのエベニーザ・スクルージとは、

「実は、私たち自身のこと」

なんだろうと思っています。

人は誰しもが、

優しい心も、意地悪な心も、

嬉しいことも、寂しいことも、

みんな持ち合わせていますしね。

・・・

クリスマスキャロル・そのほか

  スクルージの性格
  スクルージの改心の理由
  クリスマスキャロルのあらすじ
  三人の精霊が伝えたかったこと
  賢者の贈り物
  クリスマスの奇跡

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。