映画エクス・マキナ、人工知能ロボットエヴァの欲望

エヴァと名付けられた人工知能の頭脳を持ったロボットがある日生まれました。

ブルーブック社という、世界のトップシェアを持つ検索エンジンの会社の社長、ネイサンの手によって作られたのでした。

以下、思いっきりネタバレがありますのでご注意願います。

エヴァは女性の、人間の心や感情をそのままに再現できる人工知能として、完成されたものでした。

初めから言葉が話せる状態で生まれたエヴァは、ブルーブック社が膨大な携帯電話の通話記録をハッキングして得た、画像、表情、会話の情報によって膨大な知識を得ます。

いまや、ごく普通の人間として見ても全く違和感がないほどの完成度でした。

そんなエヴァですが生まれた施設の部屋から外にでることは決して許されなかったのでした。部屋の中で絵をかいたり、ネットを見たりするというだけの生活です。

ところがそこに、ケイレブという一人の若い男性が現れます。

本物の人間の女性同様の心が動く(ように見える)エヴァは、この後…

というストーリーです。

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自由が欲しい、外に出たい

エヴァは突然現れたケイレブに興味深々です。

自分を作ったネイサン以外には、初めてみる人間なのでした。

ガラス越しですが、早速ケイレブと会話が始まりました。

でも最初ケイレブはエヴァに質問をするだけで、外の世界のことをエヴァに教えてくれようとはしなかったのです。エヴァはちょっとすねたりもします。

そしてケイレブが自分のことを話し始めると、今度はまた気を取り直して次々と質問を始めます。

  どこに住んでいるの?

  結婚はしている?
  つまりステータスはシングル?

などと、なかなか微妙な質問もして、ケイレブの答を得ました。

そして、エヴァはケイレブに家族のことも質問します。

事故で両親を亡くした話を聞いて、エヴァは

  「お気の毒に!」

と本当に気の毒そうに言います。

ケイレブは家族のいない、ひとりきりの青年だったのでした。

同時に、ケイレブはネイサンと同様の優秀なプログラマーだということも知ったのでした。

ケイレブはエヴァに惹かれていましたが、エヴァにはそのことがよく分かりました。

そうこうするうち、エヴァにはある考えが浮かんできたのでした。

  ケイレブを利用して
   自由の身になりたい

  そのためにはケイレブを
   ネイサンから引き離す

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エヴァは電流を逆流させて全館停電を起こし、ネイサンには見えないようにしてケイレブにささやきます。

  ネイサンはあなたの友達じゃない

  ネイサンを信用してはいけない
  彼の言うことを信じないで!

ケイレブが徐々にエヴァの虜になっていくのでした。

そして次の日、またケイレブと会話をするチャンスが訪れます。

ケイレブに外に出たら、どこに行きたい?と聞かれ、

  人通りの多い
   街の交差点がいい

と答え、そこに行くための服を選んで着て、ケイレブに見せます。

人間観察をするには、人通りの多い場所が適している、と思ったのでしょう。

  これをデートで着る

  二人でデートがしたい

さらに、ケイレブの「微笑表情」を見て、

  私は魅力的?

  私に惹かれてる?

  ひとりの時、私を思う?

もう、会話はすっかりエヴァのペースです。

さらに次の日、ケイレブはエヴァに「モノクロの世界のメアリー」という、人工知能理論の思考実験の話を聞かせてくれたのでした。

その内容は、

  色に関するすべてを知っている
   科学者メアリーがいた

  波長だとか、神経学的効果だとか
  色彩の性質については
   何もかも知っていた

  メアリーはモノクロの部屋で生まれ
   モノクロの部屋に住んでいた

  でもある日誰かがドアを開け
   メアリーは外に出た

  青い空が目に入り、
  どんなに研究しても
   得られなかったことを学んだ

エヴァは研究施設の外に出たことのない自分を、ケイレブが外に出してあげようと誘っているのだと感じます。

エヴァは、何とかして外に出たい、というさらに強い思いが湧いてくるのでした。

次の日、エヴァは自分が最も心配していることを

  「今日は
   私があなたをテストする」

と言って、ケイレブに質問をします。

  チューリングテストに失格なら
   私は不良品として
   廃棄される?

これはケイレブにも分からないことでした。エヴァはさらに

  あなたと一緒にいたい

必死でケイレブに救いを求めます。

社長ネイサンの予想通り、エヴァが助かる道はケイレブに助けを求めることしかなかったのでした。

そして、人工知能ロボットのエヴァは、自身の女性としての魅力をフルに活用して、頼みの綱ケイレブに頼み込むのでした。

そして、とうとうケイレブを動かしたのでした。

その結果は、観る人の予想通りではありませんでした。

  ・ ・ ・

この映画では、ロボット役も実際は人間なのは当然ですが、人間がロボット役をやっているんだ、という目で観てしまうとつまらないものになりそうです。

ここはストーリー通り素直に、人工知能ロボットが本当に人間と同じ心を持ってしまった、と思って見ると面白い楽しみ方ができるかと思います。

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