人間ってなんだ 人工知能と人間

  人間ってなんだ?

この疑問は人工知能を研究している中から湧いてきた疑問です。たとえば、

  人工知能は人間を超えるのか?

という疑問に答を出すためには当然のように

  じゃ、人間って何?

ということを知る必要が出てきます。

でも、この

  人間を知る!

というのは、そんな簡単なことじゃありません。

いったい人間って何なんでしょう?

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人間はどのようにしてこの世に登場したか

人工知能の研究はいままで何度もブームが来ては盛り上がり、そして最後には挫折するという歴史をくり返してきました。

でも、今回の人工知能は違います。

ディープラーニングという革新的な技術が生まれ、自動運転だったりガンの早期発見ができるようになったりと、驚くべき進歩を遂げました。

  これでいよいよ
  人工知能が人間に
   近づけるか?

そしてとうとう登場してきた疑問が、

  じゃ、人間って何?

ということですね。

しかし、このことを考えるためにはどうしても忘れるわけにはいかないことがあります。

それは、

  人間は動物である

そして

  人間は生命である

ということです。少なくともこれは人工知能とは決定的に異なりそうですね。

人間が動物として、生命としてこの世に登場した経緯を見ていくと、それは

  生命40億年の
   進化の結果

であることが分かります。

そして進化した結果が何かと言えば

  身体(と脳)
  本能

という形で出来上がっていると言えるでしょう。

ここで「本能」というのは、たとえば

  快を求めて、苦を避ける

という時の「快」と「苦」を区別する感情(心)のことです。

ほとんどの動物にとって、「痛み」は苦で、「食」は快ですよね。

そして人間の行動や思考の最初の動機はこの「本能」です。たとえば何もしないでいると、「退屈」という「苦」の感情が押し寄せてきて、何かせずにはいられなくなります。

人間だけではなくほとんどの動物が、「空腹」、「満腹」、「危険」、「愛情」などと言った本能的な感情に突き動かされて行動しています。

それではここで、進化の結果出来上がった「本能」について考えてみましょう。

人間の本能の一端を見る

たとえば人間には、危険を感じた時に湧き上がる

  恐怖

の感情があります。もし危険なことがあっても「恐怖」を感じなかったら、その人種は早々に絶滅していたでしょう。

そして「恐怖」を感じた時起こる感情は

  逃げたい
  (危険から遠ざかりたい)

という感情です。これは当然と言えば当然です。

ところが「恐怖」を感じた時の感情には、他にも

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  すくむ
  (動けなくなる)

という感情もあります。これは「恐怖」が強すぎた場合ですね。

どうしてこんな感情が本能として備わったのでしょうか。

これはまだ人間になる前の進化の過程で、小動物だったころに獲得された本能だったのでしょう。

数匹の小動物の前に天敵が現れたとしましょう。

ほとんどの動物は「動くもの」には敏感に気づきます。天敵となる動物も例外ではありません。

そんな時、動いて逃げようとした小動物の方が目だってしまい、先に襲われてしまったのかもしれません。

結果的に、すくんで動けなくなってしまった小動物の方が生存の確率が高くなったということは十分考えられます。

また、何を見た時に「危険」と感じるかは、立場や動物によって異なります。

たとえばヘビを怖がる人がいますが、これは人類の祖先がまだ小さな哺乳類のころ、そして大きなヘビは怖い怖い天敵だったころに獲得された本能がまだ残っているからと言われています。

蛇足ですが、猿もヘビは大の苦手のようです。

その他にも「恥ずかしい」という感情や「緊張する」ことで手に冷や汗をかいたりするなども、進化の過程のどこかで何らかの意味を持っていたものと思われます。

「好奇心」という本能が人間にあったので、人類(ホモ・サピエンス)が絶滅から救われたという話もテレビ番組で放送されたので有名です。

好奇心が災いして不幸にも命を落とす人もいたでしょう。でもそのことで残された人には貴重な「知恵、知識」がどんどん蓄えられ、人類繁栄のための大きな力になったことは確かです。

人工知能には本能が組み込めない

でも、こういった人の「本能」がどれだけあって、どんなものなのかは人間自身にも分かりません。

「初めて見る顔には警戒するが、何度も見ると親しみを感じる」だったり、「誰かの役に立ちたい」だったり、「他人に好かれるのはいいが、嫌われるのはいや」などといった本能的な感情は膨大です。

男と女でも違います。子供と大人でも違います。

そしてこれらの全てを人工知能に教え込むのは不可能です。

それなら人工知能自身にディープラーニングなどの技術で人間の本能を学習をさせることができるでしょうか。

でもそのためには人間と同じ身体の仕組みと環境が必要になります。そして太古からの進化の過程も辿る必要があります。

そんな環境を再び作り出すことはできません。

すると人工知能は基本的に

  人間にとっての道具

でしかないでしょう。本能がないので意思がありません。

ただし人工知能に本能を持たせ、意思を持たせるとしたら、人間の本能とは全く異なる

  人工知能独自の身体(形態)
   に最適化された
  人工知能独自の本能

が発達する可能性はあるのかもしれません。

参考

  人工知能が人間に勝てないこと

  人工知能と人間の違い

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