世界のトップシェアを持つ検索エンジンを作り、大金持ちとなった天才科学者が、
こんどは人工知能を持つロボットを作ってしまったが、悲しいことにそのロボットの反乱に遭ってしまう、というストーリーです。
以下、思いっきりネタバレがありますのでご注意願います。
月に届くほどの長い光ファイバーケーブルが埋め込まれた研究施設を作った天才科学者ネイサンは、超大金持ちの社長なんですが、ネイサンには果たして幸せな結果が待っていたのでしょうか?
あ、でもこの映画の主役はこの天才科学者のネイサンから社内抽選で選ばれ、一週間この研究施設で過ごすことになった社員のケイレブ・スミスの方なんですが…
社長の待つ秘密の研究施設でケイレブが一週間過ごすことになったのですが、そこで行われていた秘密の研究とは・・・
というストーリーです。
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映画エクス・マキナ、天才プログラマーケイレブの誤算
映画エクス・マキナ、人工知能ロボットエヴァの欲望
映画エクス・マキナ、エヴァの次のバージョンとは
人工知能ロボットの開発
天才科学者ネイサンは13歳の時に検索エンジンのプログラムを作り、いまでは世界で90%のシェアを誇るまでになりました。
当然、ネイサンは超大金持ちです。
そのネイサンが広大な所有地の中の目立たない建物の中で秘密のうちに研究していたものは、
人工知能ロボット
だったのでした。
そして、彼はついに人工知能のロボット「エヴァ」を完成させたのです。
あとはチューリングテストと呼ばれる、人工知能と人間とを区別することができるかどうかのテストだけです。
そのため、社内から優秀なプログラマーのケイレブを研究施設に呼びよせ、チューリングテストをさせました。
ネイサンは広大な土地の地下にある建物の中で、自分の作った人工知能ロボットの「キョウコ」と一緒に暮らしていたのでした。
このキョウコは言葉が話せません。なのでキョウコの前では何を話しても外部に秘密が漏れることがなかったのでした。
ネイサンはこのキョウコにダンスの相手をさせ、密かに夜の相手もさせていたのでした。
チューリングテストのためにケイレブと共に一週間過ごせることは、ネイサンにとっても、久しぶりに本物の人間と過ごせる、ワクワクするものでした。
ケイレブに会った時、ケイレブが言った言葉、
「本物のAIを生み出せたら、
それはもう 人類史じゃない
神の歴史です」
は、既に本物のAIを生み出したと確信していたネイサンにとっては、
「考える機械を作るなんて、
あなたは人間じゃない、
神だ!」
と聞こえたのでしょう。無邪気に喜んでいました。
嬉しくて、早く「エヴァ」をケイレブに見せてあげたくてたまりません。
身体が機械でできているということを見せてもまだ、ケイレブはエヴァを人間だと勘違いするに違いない、という自信でいっぱいです。
でも、そのAIの完成度を誰かに見せてあげたい、自慢したいという気持ちとは裏腹に、作ってしまったAIの恐ろしい事実にも気づいていたのでした。
チューリングテストで、エヴァの凄さを知るとともに、同時に深い後悔の気持ちもまた湧き上がるのでした。
いずれ廃棄される運命のエヴァをケイレブが憐れむ様子を見せた時、ネイサンはケイレブに語っています。
エヴァを憐れむか?
それより自分を憐れめ
いつの日かAIは
我々が原始人の化石を見るような目で
人間を見ることになるだろう
とっちらかった言語や
野蛮な道具を使う直立歩行の猿は
遠からず滅びる定めだよ
ケイレブが続けます。
私は世界を滅ぼす死神となった
原爆の父オッペンハイマーの言葉です
「いずれ人間はAIに滅ぼされる」、そう確信しているネイサンにとって、この「死神」は痛い言葉です。
戦場で、
森や 切り立った山の中で
そして
果てしなく広がる暗い海で
眠りや混乱の中で
底知れぬ恥辱の中で
(泣く)
過去の善行が人を守ってくれる
過去の善行が人を守ってくれる
過去のよき行いが人を
守ってくれる
もう 作ってしまった…
私はプロメテウス
ネイサンはAIの登場によって人類の終わりを予期していたようでした。仮に自分が本物のAIを作らなくても、やがては誰かが作る、という時間の問題だったのです。
そうなれば、遠からずAIの頭脳は人間をはるかに凌ぐことになる、そんな予感です。
「過去の善行が人を守ってくれる」
何度も言っていたこの、過去の「よき行い」とは何を意味したのでしょう?
とにかく、エヴァを決して研究施設の外に出してはいけない、という思いは強いものでした。
まだチューリングテストを終えたばかりのエヴァを外部に出すのは、あまりに危険だと考えたのでしょう。
そして当初の予定の一週間が終わりを迎え、チューリングテストが成功に終わろうとするその時、ネイサンには大きな誤算が待っていたのでした。
AIは完璧すぎて、ケイレブはすっかり惑わされてしまったこと、またケイレブはプログラマーとしてあまりに優秀すぎたこと。
そして、信じていたキョウコが、まさかの・・・
予期した悪夢が、真っ先に自身に起きてしまったのでした。