子供の教育にご褒美は役に立つ?やる気を引き出す効果とは?

子供を持つ親の悩みのひとつに、

   子供が勉強をしてくれない

というのがありますね。

いくら言ってもダメ。いくら叱ってもダメ。

どうして勉強しなきゃいけないのか、いくら説明してもダメ。

おかげで、毎日が子供と戦闘状態なんです、なんていうことも普通にありますよね。

う~ん、何とか子供にやる気を持ってもらいたい。

ここは、仕方がないので、何かご褒美を用意して子供を手なずけてみようか?

なんて思ってしまうんですが、

   ご褒美で勉強させる

なんて、教育上いいんですか?

さぁて、どうなんでしょうね?

まぁ… 普通に考えて、ご褒美ということ自体は悪くはないですよね。

じゃ、どんどんご褒美で釣ってしまおうか…

なんていうのも、やっぱりちょっと違う気もします。

う~ん! 難しいところですね。

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子供の教育にご褒美は必要か

ところで、

   ご褒美って

   ホントに効果があるの?

なんて疑ってる人も、結構いるんじゃないかと思うんですが…

そりゃ~、

   効果 ありますよね

だからみんな使うんですよね。

ということではあるんですが、

ちょっと待ってくださいね。

え~っと、ですね、

   ご褒美が逆効果になってしまう

って、聞いたことありますか?

これがあるんですよ、むやみとご褒美をあげてしまうと、

   良くないこと

が起こってしまうんです。

これ、結構あっちこっちの実験で確かめられているみたいです。

私が聞いた、放送大学の教育心理学概論での実験によるとですね、

  ・幼稚園児を2組に分けた

  ・幼稚園児に絵を描いてもらった

  ・描いた絵を

    別室の先生のところに持って来てもらった

そして、その時

  ・一方の組  よくできたらご褒美をあげます

      と言って、実はいつもご褒美が貰えた

  ・他方の組  特にご褒美はなし

いや、ご褒美とは言ってもですね、

ボール紙を丸く切り抜いて、賞状に貼っただけのものだったんだそうです。

幼稚園児はもともと、たいていは絵を描くのが好きなので、幼稚園児で実験をしたと言っていました。

はて、どっちの組の子供が より一生懸命に絵を描いたでしょうか?

はい、ご想像通りです!

   ご褒美が貰えた組

の子が、たくさん絵を描きました。

とはいえ、いつしか絵を描くというよりも、

ご褒美を貰うことに 一生懸命になってた子供も出てきた、とのことでした。

でも、・・・

   本当の実験は この後

だったんです。

   実験開始から2週間後、

突然

   実験が打ち切られました

もう ご褒美は貰えません!

さて、ここでもう一度 じっくり考えてみてください。

先ほどの 2つの組の子供たちが

絵を描くことが

   増えたのか?

   減ったのか?

どうなったでしょう?

はい、またまたご想像通り、

   ご褒美を貰っていた組の子供は

   以前より

    絵を描かなくなっていた!

のでした。

ご褒美の 鮮やかな

   逆効果バージョン

といったところでしょうか。

だけどこれ、相手が幼稚園児だったからでしょう?

なんて思ったりしてませんか?

ところが実は、大学生の新聞部の学生での実験、というのもあって、

書いた記事についての、報酬のありなしでの実験も紹介されてたんです。

そしたらなんと、そこでも同じ結果で、

記事に対して、報酬をもらった学生は、報酬がなくなってしまったら、質も量も少なくなってしまった、ということだったんです。

これ、大学生の新聞部なんだから、

もともと新聞が好きだった学生たちの集まりのはずだったんですよね。

ところがなんと、記事への報酬が

   もともと好きだった

   新聞への熱意まで奪ってしまった

ということになっちゃったんですね。

いや~!

うかつにご褒美をあげる、というのは、ちょっと危険を伴うのかもしれませんよ。

ところで、この手の実験は 結構面白かったせいか、

いろんな人が似たような実験をやってくれたようでした。

ある幼稚園児での実験では、

ご褒美がなかった組の子供たちには

絵を見て、先生がいい点を褒めてあげ、さらに

ここをこうするともっと良くなるよ、みたいに教えてあげた とのことでした。

そうしたら、褒められた組の子供たちは、

みんな 絵をたくさん描くようになっただけでなく、

色使いや構図など、とても上達したという話もあったそうです。

  「褒める」

   素晴らしい「ご褒美」だった、

と考えることもできそうですね。

ご褒美でやる気を引き出すことはできるのか

実験ついでに、また似た実験で、

行動経済学者のダン・アリエリー教授が

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工場の労働者に対して、こんな実験をしたそうです。

8日サイクルの仕事の工場なんですが、最初の日に与えるボーナスを

いろいろ変えてみるとどうなるか、という実験しました。

  組A : お金

  組B : ピザのチケット

  組C : 上司のメッセージ

ボーナスを受け取った日、どの組の仕事の成果が上がったでしょうか?

結果は ・・・

どの組の仕事の成果も、みんな上がりました。

あなたも当たったでしょうか?

でも、

   問題は その次の日

だったんです。

昨日はボーナスが貰えた。でも、

   今日はボーナスはない!

そうすると、それぞれの組の、仕事の成果はどうなったでしょうか?

ちょっとだけ想像してみてください!

そして、結果は別れました。

もともとボーナスがなかった組と比較して、ボーナスの組ごとの仕事の成果が

  組A : お金の組
            15%下がった

  組B : ピザのチケットの組
            少しだけ下がった

  組C : 上司のメッセージの組
            15%上がった

ということでした。

こうしてみると、ご褒美としては

   お金やもの

よりも

   褒める、

   言葉を掛ける

のような方がいいのかもしれませんね。

ところで、先の実験では、毎回ご褒美をあげていたんですが、

べつに毎回じゃなくて、ときどきご褒美をあげる、ということだってありますよね。

この、ときどきご褒美をあげる、なんていうのも、かなり効果的なようです。

「ときどきご褒美の魔力」

ところで、先ほどの行動経済学者ダン・アリエリー教授が

面白いことを言ってくれたんです。

白熱教室という番組の中での話なんですが、

受講生に向かって

   君たちと知り合って、
    数時間を共にしてきた

   もし私がいま、
    隣の町まで車で送って
    くれないかと頼んだら
    君たちは、どうする?

   その次に、私が
    タクシー代と同じ料金を
    支払うから、
    隣の町まで、送って
    くれないかと頼んだら
    どうだ?

受講生も、社会人の年齢の人たちです。

あざやかですね!

みなさん、

単に

   車で送ってくれないか?

と頼まれただけの時は、喜んで送ってあげようと思ったのに、

タクシー代と同じ料金、という話がでた途端に、その気がなくなってしまったようでした。

この感情のメカニズムは、何だったんでしょうね。

考えるに ・・・ (想像ですが…)

最初の段階で、受講生の頭に浮かんだのは …

もしかして …

   教授に感謝されるかもしれない、

   教授に恩を売れるかもしれない、

   教授と親しくなれるかもしれない、

   裏話を教えてもらえるかもしれない、

   将来、仕事でつながるかもしれない、

   ・ ・ ・

なんて、いろんな考えが頭を駆け巡ったのに ・・・

  「タクシー代の料金」

の話がでてしまって、

   突然、召使いにされた感じ?

   こちらが感謝する立場?

   手元にタクシー代の料金だけは残るけど

   ・ ・ ・

う~ん

人間、誰かに感謝されたいという気持ちや、尊敬されたいという気持ちはとても強いんですね。

そして、お金やものには代えられないものが、実はずいぶんあるんですね。

ご褒美に効果があるのはどんな時か

ご褒美がお金やピザのチケットだったりするよりも、

上司のメッセージの方が、後々良かったり、

また、毎回のご褒美よりもときどきの方がいい

などから言えそうなことは、

   人の気持ち、心

が感じられるかどうかがずいぶん重要なんじゃないかな~、

なんて思います。

同じご褒美でも、毎回決まってもらえるご褒美は、機械的で、

そこに人の気持ちや心を感じにくいのと、

モノの場合は

   今日は  ない!

ということがすぐに分かってしまうのに比べ、

褒められたり、メッセージをもらったりの場合は、

   今日も、心の中では

    褒めてもらえてるに違いない!

なんて、勝手に感じることができるせいかな?

とも思えますしね。

そして、ご褒美をもらえた結果、

   嬉しい!

と感じれば、勉強も(仕事も)

   楽しくなる

んでしょうね。

塾の英語の先生が テレビで言っていた言葉

   英語ができる生徒の

   共通の特徴は

-->

   「英語が好きなこと」

嬉しくて、楽しくて、好きになってしまえば、

あとはどんどん、できるようになるのは、当然かも。

別に、世界一にならなければ、というわけでもない時の話ですが …

まとめ

ご褒美は確かに教育の中で大切なことだと言えるでしょうが、

単なるモノだったり、決まったときに決まったようにあげるのではなくて、

言うなれば、

   しっかりと

    認めてあげる

ことが大事なんだと思います。

ご褒美が、子供との取引だったり、交換条件だったりではなく、

頑張った実績を認めた結果、それに対してのご褒美として与えるのが望ましいと思います。

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