私が知っていることは、あなたも知っているはず?

   あなたは知っていますか?
   分かっていますか?

人は、自分が知っていることは、他の人も当然知っているんだろう、

と勝手に思いやすいものだそうです。

そして、知っているということも、さらに深く掘り下げると、

結構、本当には知らなかった、なんていうことも多いみたいです。

放送大学の教育心理学概論(2014版)で勉強していたら、

なるほど~と思うことは、あっと驚く話がたくさん出てきます。

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人は自分が知っていると思っていても、ちょっと追及されると分からなくなって

しまうことが、結構あるんだそうです。

たとえば、

   ヘリコプターは

   どうやって飛んでいますか?

と聞かれると、大抵の人は 「プロペラが回っているから」 みたいに

何かを答えるんですが、さらに意地悪な質問で、

   じゃあ、プロペラが回る時

   どうしてヘリコプターも

   回ってしまわないんですか?

と聞かれると、聞かれて初めて自分が知らなかったことに気づく、

なんていう人が結構多いみたいです。

一度答えらしいものを見つけてしまうと、それ以上考えなくなってしまう

傾向があるとのことでした。

同じ話で、ミシンの縫える仕組みだったり、ファスナーが閉じられる仕組み

だったりを深く追求されると、分からなくなる人が結構多いようです。

ある種の「幻想」なんでしょうね。

私が知っていることは、あなたも知っているハズ?

この幻想については、自分が知っているかだけじゃなくて、

相手が知っているか? に関しても言えるようです。

アメリカの研究で、大学生を相手にこんな質問をしたんだそうです。

   ミシシッピ川本流の
   長さはどのくらいですか?

続いてその大学生に、

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   この問いに正確に答えられる
   アメリカの大学生は
   どのくらいいると思いますか?

と質問します。(後の質問が本当に知りたかった質問です)

すると、本当に正確に知っている学生は多くはなくて、

  「きっと、他の学生も
   知らないんだろう!」

と答えるんだそうです。

ところがこれを、聞き方を変えて

   ミシシッピ川の長さは
   3,779Kmです。
   この長さを正確に答えられる
   アメリカの大学生は
   どのくらいいると思いますか?

と聞くと、

  「大抵の大学生なら
   このぐらいのことは
   知っているだろう!」

と感じる学生がずっと増えたんだそうです。

聞かれた学生、実はいま知ったばかりなのに、

   自分が知っていることは
   他の人も知っているだろう!

と勝手に思うみたいです。

これ、教育心理学での話とはいえ、一般的な人間の性質の話ですね。

この話は誰にでも当てはまる話で、たとえば新しい技術を開発している人

なんかの場合でも同じことが言えるんだそうです。

開発している当人たちが、新しい機械の使い方をよく知っているので、

お客さんだったり、初心者の人たちだったりも、自分たちと同じぐらいに

使い方を知っているはず、とつい思ってしまう傾向があるようです。

   自分たちが分かっているんだから、
   あなたも分かっているはず

というかたくなな思い込みは、誰にでも結構強くあるようです。

たとえば学校の先生の場合なんかでも、一度授業で説明が済んだことは、

聞いている生徒はもうとっくに知っているだろう、と思い込んでしまう、

という話がありますが(私も大いに思い当たります)、これも人間の

一般的な性質のようです。

そこで子育ての観点を思いついてしまったんですが、もしかしたら

   親が知っていることは
   子供も当然知っている

と思い込んで、親は子供にいろいろ言っているのかな? ということでした。

そうすると子供は、いったい何のことか分からないまま怒られている!

なんていうことも、結構あるんでしょうね。

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