認知的不協和は心理学の中でも有名、その影響をみる

社会心理学の中では、認知的不協和理論はとても有名な理論ですね。

タバコを吸う人が、

  「タバコは肺がんになる」

なんて言われてしまうと、とてもいやな気持になってしまう(認知的不協和)、

そのため、なんとかつじつまを合わせようと、

   でも、タバコは

   ストレスの解消には役立つ!

みたいな解釈をして、自分自身を納得させてしまおうとしたりします。

フェスティンガーという人の有名な実験が、この言葉の発端なんですが、

   ストックホルム症候群

にも概要があります。

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認知的不協和のあざやかな応用

この「認知的不協和」の応用のような例がアメリカ海兵隊の募兵活動の中にありました。

アメリカ軍には、陸軍、海軍、空軍などの他に、「海兵隊」という組織があります。

この海兵隊は、軍の中でも常に最前線に送り込まれる

   最精鋭部隊

なんですね。

そのために、非常に、とても非常に

   優秀な人材

が必要になります。

なので、募兵担当官の仕事は大変重要で、軍の死活をにぎるとさえ言われます。

海兵隊では、募兵には大変力を入れているんですが、そこの

  「採用面接」

の時、

   いったい

   誰が面接するのか?

が問題なんですが、これが何と、

   現役の軍人

が募兵担当官として担当するんだそうです。

外部のリクルート会社などに依頼しているわけではありません。

そして、面接を受ける方はと言えば、

突然現役の凛とした軍人が目の前に現れるんですから、

びっくりし、緊張し、あこがれます。

でも、ここでの話は、そのことではないのです。

ここで話題にしたいのは、

   募兵担当官

の方なんです。

この、大変重要な任務を請け負った募兵担当官は、この時どうすると思いますか?

ここが問題ですね。

さぁ、どうする?

と言っても、答えは決まってます。

   態度と表情で

   海兵隊の素晴しさ、

   優秀さをアピールします。

すると、どうなるんでしょうか?

これが次の問題ですね。

さぁ、どうなる?

またまた心理学で

   一貫性の理論

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というのがあるんですね。

一度口にしてしまうと、それを後で変えるというのは、とても難しいんです。

そうすると、その募兵担当官自身が、

   海兵隊に

   強い忠誠心を持つ

ことになるんですね。

どうしてそうなるの?

ここで登場するのが、

  「認知的不協和理論」

なんです。

   海兵隊は素晴らしい

と口にしたにも関わらず、

   海兵隊はつまらない

と思っている、みたいなことがあったら、あざやかな認知的不協和が生じてしまいますから。

認知的不協和が引き起こす結果には注意

募集時の面接の役目だったら、一般の企業でもできそうですね。

うまく使ったら、とてもいい成果がでそうです。

ただ、この「認知的不協和」の力はとても強いので、ちょっと注意が必要です。

私の知っている会社で、中途社員の採用面接を現場の人にやってもらって、

社員を新しく採用する、ということをしたのですが、そしたらその後

   面接を担当した社員に

   強いストレスがかかっってしまった

ということがありました。

会社のいいところを説明したはいいのですが、現実はそんないいことばかりではない、

というのはよくある話ですね。

いうなれば、認知的不協和の解消にちょっと苦しんでしまった、ということですね。

そういう点では、ある程度会社に対して忠誠心のある人が面接をやった時、

さらに、「確固とした忠誠心」に移行する、というあたりが望ましいところなんでしょう。

その他にも、次の例などは認知的不協和のなせるワザなのかなと思います。

   子供を犯罪者にしないために

自分の行動と、立派な親でありたい、という2つの間の認知的不協和を

何とか解消したい、という思いがひしひしと感じるところです。

この認知的不協和を解消するために、みなさんどんな苦労をしているんでしょう?

とは言っても、これは頑張って解消しようとしてるんじゃなくて、

本能的に、「自動的に」頑張ってしまっているんだと思います。

また社会心理学での話ですが、人には「ポジティブイリュージョン」と言って、

   自分に最も気持ちのいい

   考えを選ぶ

という性質があるようです。

   ポジティブイリュージョン

こんな風に、人は無意識のうちに、何とかして気分のいい考え方(解釈)を

しようとしているんですね。

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