もうずっとずっと昔に流行った歌ですが、
歌手の桜田淳子さんがNHKテレビで紅白歌合戦で歌った時の表情を、まだ覚えています。
当時の私はまだ子供、この歌が何を意味するのかなんて分かりませんでしたが、今聞き直して感じることは、女と男の感じ方の違いです。
歌の出だしは、
泣きながら電話をかければ
馬鹿な奴だとなだめてくれる
眠りたくない気分の夜は
物語を聞かせてくれる
ちょっとオーバーでしょ、なんて思わないでもないんですが、でも分かります。とっても優しい彼なんですね。
悲しい時にはなだめてくれたり、物語を話してくれたり、
いつも優しい彼
こんな彼が近くにいたら、もっともっと、いつまでもいつまでも、彼のそばにいたくなります。
いつしか彼は私の中で特別な人になっていました。
恋人がいます恋人がいます
心のページに綴りたい・・・
「私の初恋の人」、もう舞い上がってしまいそうです。毎日が幸せいっぱいなんです。
それなのに・・・
なにかが変なんです・・・
・
こんなことに、気づきたくありませんでした。この夢のような幸せが、実は幻だったなんて…
しあわせ芝居
だったなんて、信じたくない、信じたくありません。でも、本当のことだったんです…
電話してるのは私だけ
あの人から来ることはない
・
「浜辺をみたい」と誘えば、あなたは鼻歌まじりで連れて行ってくれます。「踊りたい」とすねれば、おどけながら合わせてくれます。
こんなあなただから、もう間違いはありません、
部屋を訪ねてもいいかしらと
いちど聞いてみるつもりです
きっとあの人はだめだとは
言わないだろうと思います
それなのに、怖くて聞けない・・・
だって・・・ 気づいてしまったから・・・
・
逢いたがるのは私ひとり
あの人から来ることはない
・
・
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年齢を重ねてこの歌を聞き、歌詞を読み直して感じることは、
女と男の恋愛感情の違い
見事に表れているように感じます。
子供のころは女も男も、感じ方にそれほど大きな違いはないんですね。
でも、小学校3年生を過ぎるころから、女の子は徐々に女になって行きます。
でも、男の子は女にはなりません。けっして女にはなりません。
男の恋愛感情は
小学校3年生のころのまま
なんです。
誰とでも仲良くしましょうね
と言われて、誰とでも仲良くしていた、あの頃のままなんです。
たとえ好きな女の子がいたとしても、隣の女の子が泣いていれば、
どうしたの?
と、優しく聞いてしまいます。
こんな僕が、実は
「しあわせ芝居」の彼
だったんですね。
「しあわせ芝居」は、そんな女と男の感じ方のすれ違いが引き起こした悲劇なんですね。