松下電器で有名な松下幸之助さんの言葉で、
「感謝の心をもって」
というのがありました。
人間欲しいものはたくさんあるけれども、本当はどれも大したものではないことが多い。
けれども空気だけはとても大切で、空気が5分間もなくなったら生きてはいけなくなってしまう、という話でした。
ところが人間、その空気に対してはあまりありがたいと思ってはいないようで、空気がふんだんに与えられているというに鈍感なんですね。
つまり、これほど大切な空気がふんだんにあるということについて、ほとんどの人は感謝の気持ちを持つことがない、ということなんです。
水と空気、どちらが大事?
自己啓発系の勉強をしていたころ、石井裕之さんという方の話の中で、
「水と空気はどちらが大事か?」
なんていう話題が出たことがありました。
つい考えてしまった答えは
「水」
でした。
普段、水のことは気をつけていても、あまり空気のことには気をつけてはいませんでしたので。
でも冷静に考えると、水は1日ぐらい飲まなくても何とかなるけど、空気が5分間なくなったら大変なんですね。
それなのに、水に感謝をすることはあっても、空気に感謝することは比較的少ないように感じます。
広い心で自然を眺めてみれば、感謝できることは限りなく見つかるはずですね。
ところで、
もういまから50年も前の話ですが、友達から頂いた本
「道は開ける」
の中に面白い事が書いてありました。当時はよく分からなかったのですが、いまならよく分かる気がします。
君の持っているものを
100万ドルで売るか?
これは、お金も財産も何もかもなくしてしまった人が、意気消沈して道を歩いていたら、向こうから足のない人が歩いてきて、「おはようございます」という明るい挨拶をしてくれた時のことでした。
その時ハッと、自分には二本の足があり恵まれているんだ、ということに気づきました。
この自分の大切な手、大切な足、大切な体、これらの大切なものをあなたは百万ドルで売るのか? という問いですが、ほとんどの人は売れませんよね。
こう考えると、私たちの多くは
億万長者
とも言えます。
空気同様に、当たりまえにあるものに気づいて「感謝」することができれば、私たちはとても恵まれた、幸せな存在だったことに気づかせてもらえるのでしょう。
著者のデール・カーネギーが浴室の鏡に貼った言葉
靴がないとて、しょげてたら
道で出会った、足のない人に
でした。
でも、人間なかなか当たり前の幸福に気づかないんですね。
何かの調査で知ったことなんですが、多くの人にアンケートを取ると、
収入があと10%増えれば
自分は幸福になれる!
という答が多いという事実がありました。
じゃ本当に収入が10%増えるとどうなるかというと、増えてそれが当たり前になってしまうと、別に嬉しくなくなってしまい、さらに足りないあと10%がまた欲しくなるというのが現実でした。
結局、足りない10%にばかり目が行ってしまい、いまあるものに対して感謝できないということがきっと不幸のもとなんでしょうね。
お金はどんなにあっても、いやあればあるほど失うことの恐怖が増えるばかりなのかもしれません。
いまあるもの、恵まれていることに感謝をする習慣ができたら、きっと本当の幸福が訪れそうな気がします。