誰かへの頼み方でテクニックは必要か。心理学でも言い方の良し悪しは

誰かにモノを頼むときって、結構気を使いますよね。

相手がすんなり言うことを聞いてくれれば問題はないんですが、

これがなかなかうまくいかない時も多くて。

仕事上で、上司にお願いするときや、部下に指示をする時でも、

いつもすんなり行くとは限りません。

そんな時、少しでもうまくいく可能性を高めるための方法は

何かないものでしょうか。

そんな方法をここでは少し考えてみました。

そして、それが心理学的にはどんな意味があるのか、ということも

行動経済学の教授の話も交えて、考えてみましょう。

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誰かへの頼み方にもテクニックがあるのか

森下裕道さんという褒め方のとても上手な方がいて、

その森下さんの話によると、褒めた後に何か疑問文をつけると

とても効果がある、なんて教えてくれました。

そんなことを考えていたら、

似たような感じの話で、

  「頼み事は2つ連続すると

   断られにくい」

なんていう話も思い出してしまいました。

こちらは、石井裕之さんという方の話の中で、

単に

  「あれを取ってきてください」

と頼むより、

  「立って、取ってきてください」

と二つのことを一度に頼む方がずっと断られにくいとのことでした。

これは、「コールドリーディング」という講座の中での話だったんですが、

その理由はというと、

   1つだけだとNoと言いやすい

のに対して、

   2つになると

   どちらにNoを言えばいいか、

   または両方ともNoなのか

などと迷ってしまって、結局OKしてしまうんだそうです。

これ、

上司が、ちょっと扱いにくい部下にものを頼む時の場面の例として、

説明してくれていました。

その他にも、こんなことも教えてくれました。

同じく、扱いにくくて忙しい業務を抱えている部下に、

「あの会議に出てくれないかな?」 と頼んでも、

  「この資料完成しなかったら

   どうするんですか!」

なんて言って、拒んでた部下でも、

  上司:私がこれ見せてもらってる間

     あの会議に顔出してよ!

という言い方だと、すっと言うことを聞いてくれたんだそうです。

理由としては、

   私が これをするから

    あなたは あれをしてくれる

と、「私が」と「あなたは」の対で言われてしまうと、

何となく、反論しにくくなってしまうんだそうです。

頼み方は心理学でも意味のあることが言われるのか

いまの話、本当なんだろうか?

なんて考えてたのですが、なんと白熱教室の

   行動経済学

でも似たようなことが実験の結果起きていたようです。

行動経済学で有名な、ダン・アリエリー教授が

その研究の中で行った実験で、カナダ人の

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   700人の医師

に調査員が尋ねたそうです。

   股関節痛の患者を診察して、

   先生は
    「手術しかありません。」

   と言って専門医を紹介し、

   予約を取らせました。

  ところが翌日、

   先生は痛みを和らげる薬を

   テストしていなかったことに
     気づきました。

   このとき先生はどうしますか?

あるグループには、次の2つの中から選んでもらいました。

  1.そのまま手術を受けさせる

  2.痛みを和らげる薬を使うよう連絡する

この質問のときは、過半数の医師が

  2.の薬を使うよう連絡する

との答えでした。

ところが別のグループでは、

   使う薬の種類が2種類あり、

都合、3つの中から選ぶ必要がありました。

  1.そのまま手術を受けさせる

  2.痛みを和らげる薬を使うよう連絡する、その時

     2-1.薬1使う

     2-2.薬2使う

そしたら、なんと、この時は

   2.薬を選択する医師は

    ほとんどいなかった

とのことでした。

一度は「薬の方がいいな」、とは思っても、

じゃあ、
   「薬1」と「薬2」のどっちにする?

ええい、面倒だ!

   薬なんかやめだ!

となったようでした。

ダン・アリエリー教授の言葉です

  「人の怠慢さを甘くみてはいけない」

今度は別の話なんですが、自分が亡くなった後の

   臓器提供の

   意思の有無

を調査した結果の話で、

   ほとんど100%に近い人が

   臓器提供の意思を示す国

   (オーストリア、ベルギー、フランス…)

がある一方、

   10%・20%台といった、

   ほとんどの人が

   意思を示さない国

   (デンマーク、オランダ、イギリス…)

があったそうです。

オランダなどは臓器提供のキャンペーンまで行っているのに低い数値のままとのことでした。

いろいろ原因を調査した結果分かったことは、

国民性でも性格でもなんでもなくて、

   意思表示カードの

    書式の違い

だったそうです。

意思表示カードの書式

  1.臓器提供プログラムに

    参加したい人は

   チェックをして下さい

  2.臓器提供プログラムに

    参加したくない人は

   チェックをして下さい

どちらにしろ、人はチェックしないまま提出してしまうため、上記の結果になってしまうようでした。

まさに、「人の怠慢さを甘くみてはいけない」、ということのようです。

だからだったんですね、頼み事の場合も

  一つのことを頼むよりも、

  二つのことを一度に頼んだ方が、

   うまく行くことが多い

ということだったんですね。

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