電車とか道とかで、本当は誰かと目を合わせるなんてイヤなのに、つい人の顔を見てしまうなんていうことって、よくありますよね。
できれば見たくもないし、気にしたくもないのに、近くに人がいるとつい見てしまうんだ、なんていう人も結構多いんじゃないかと思います。
先日も、電車の中で向かい側に座った1歳ぐらいの子供と目が合っちゃいました。
つい見つめ合い、こちらが少し笑ったら、子供も笑顔を見せてくれました。
どうやら、子供も人の顔には興味を持つみたいです。
そして 小さな子供でも、見えた顔が怒った顔なのか笑った顔なのかは分かっているようでした。
ところで、乳児は大人に比べて視力がとても弱くて、人の顔もおぼろげにしか見えていない、ということなんですが、それでもまだ視力が定まらないうちから、目と口といった、人の顔の特徴をもつものを見ると、それに興味を持って、じっと見てしまうんだそうです。
この画像のように、上の方が重くて、下の方が軽いような図形をトップヘビー図形と呼び、乳児がよく好んで見る図形なんです。
でもこの、相手の目や顔を見るって、人間だけじゃないような気がします。
以前に外にいた猫と顔を合わせた時も、猫は私の目を見ていました。私も猫の目を見ていたような気がします。
気のせいじゃないと思うんですが、猫と目が合った時の猫の反応と、目が合っていない時の猫の反応って、ずいぶん違う気がします。
こちらと目があった瞬間に、猫は突然緊張モードに入り、腰を低くして、いつでも走り出せる態勢に入ります。
どうやら人間だけでなく、ほかの動物たちも、顔はしっかり認識して、目を見るという行動をするんですね。
そういえば昔、女優の松島トモ子さんという方がアフリカでヒョウに襲われ、怪我をした時のことをドキュメンタリーでやってました。
その番組では、ヒョウは相手の顔が自分の顔よりも低い位置にあるときに襲うんだ、ということを解説で言っていました。
ん! ということは、ヒョウも他の動物の顔をしっかり認識している、という意味なんですね。
そしてヒョウが物陰にじっと潜んで松島トモ子さんを見ていた時、松島トモ子さんは地面に座って何かをしていました。
あぶない!
テレビの前で松島トモ子さんに
「立て~! 早く立て!」
と言っている間に、ヒョウは松島トモ子さんに襲い掛かってしまいました。
松島トモ子さんはクビを噛まれてしまい、かなり危険な状態でしたが、幸いにも一命を留めました。
それにしても、ほとんどの動物が、他の動物の顔をしっかりと見分けてるんですね。
それも、相手の目を見ていろんなことを判断しているようです。
そう言えば動物の顔の基本って、みんなほとんど同じような気がします。
目や口が顔のうしろ側についている動物なんて 見たことがありません。
口の下に目があって、その下に鼻がある、なんていう動物は見たことがありませんし、顔の基本の形はみんな同じ、だからみんなお互いにその顔を、多少違ってもしっかり認識できるんですね。
こういうことは、みんな動物や人間の本能なんでしょうね。
動物と本能の進化、本当に驚いてしまいます。
でも、中には他の人と目を合わせたくない、なんていう人もいますよね。かく言う私も、そういうことがよくあるんですが…
目を合わせたくない、という人は、人の目や顔に興味がないんでしょうか?
いや、多分目を合わせたくないという人は、興味がないんじゃなくて、逆にとても気になっているんでしょうね。
目を合わせることで、お互いに何らかのコミュニケーションが取れてしまい、相手の人が自分をどう考えているんだろうか? なんて、とても気になってしまうことにもなるし、
また、目を合わせることで、何かアクションを取らなければいけないムードになってしまい、人付き合いがあまり得意と思っていない人にとっては、面倒なことになっちゃいますよね。
でも、どうして目が合ったということに気付くんでしょう?
突然誰かに、自分のことをフッと見られると、何となく感じちゃいます。
つい、こちらも相手の目をチラッと見てしまうことがあります。
やっぱり人の顔、特に目は、特別な存在なんでしょうね。だからつい目と目があってしまうということが多いんでしょう。
偶然に目と目が合うということもあるんでしょうが、たとえば電車の中で、私が前に座ったある人の右足のつま先を見た時、相手の人もたまたま私の右足のつま先を見ていた! なんていうことは、やっぱりめったにないことでしょう。
目と目だから、お互いに見合うことが多いんでしょう。
そのため、本の表紙などに「眼」を描くと、人はついその本(眼)を見てしまうんだ、なんていうことを脳科学者の方が言っていました。
それだけ、顔や特に目は、特別な存在なんですね。