日本人の長所の中に、「思いやりの心」というのがあるんですが、
この、
「思いやりの心」
って、どんなことを言うんでしょうね。
相手の言うことを聞いてあげることでしょうか?
それとも、相手に何かしてあげることなんでしょうか?
ここでは、
リンダ問題
と
ディズニー・キャストの返答
なんかを題材に、考えてみたいと思います。
ところで、
私の購読しているメルマガの中に、こんな話がありました。
まつ毛のエクステンションというものを、あるお店でやってもらうとき、
仕上げたいイメージというものを、
次の3種類の中から選ぶことができるということでした。
1.キュート
2.ナチュラル
3.セクシー
そして、可愛い店員の女の子に、
どれにしますか?
と、真顔で聞かれてしまったんだそうです。
内心、
キュートを目指す歳じゃないし、
ナチュラルなら、わざわざこの店までは来ない。
「3.セクシー」に決まってるでしょ。
にもかかわらず、
「セクシーに」
とは言えなくて、
なくなく
ナチュラルにしてしまった
なんて、残念無念な話がありました。
そうなんですよね~。
聞いても、なかなか本当のことを言ってくれない、
なんて、よくあることです。
相手を理解するには、聞くことはとても大事です。
でも、それだけですべてが分かるわけじゃないんですね。
思いやりの心は、相手を理解することから始まる
私が受講している放送大学の授業に
「教育心理学概論」
というのがあって、その中に
「リンダ問題」
なんていう、ちょっとおもしろい問題がありました。
リンダ問題
・リンダは31歳で、独身、
活発で、とても賢い人です。
彼女は大学で哲学を専攻しました。
学生の時には、差別や
社会正義に強い関心を持ち、
原子力反対のデモに参加しました。
次の2つの選択肢のうち、
どちらの答がよくありそうか、
ありそうな方を選んで下さい。
1.リンダは銀行の窓口係である。
2.リンダは銀行の窓口係であり、
かつ女性運動に積極的に関わっている。
実はこれ、有名な問題だったようです。
(私は初めて知ったのですが)
私は
そんなの
1.に決まってるでしょう!
なんて、簡単に考えていました。
でもこれ 人によって いろんな解釈があるんだそうです。
そして 2.を選んだある人の解釈は
「この問題では
リンダは銀行の窓口係なのは
最初から分かっていることなので、
そのうえで、女性運動に関わって
いるかいないかが本当の問題だ。」
なので 2.を選んだ、ということでした。
なるほど、状況によってはそういう解釈もあるんだ、と、
これはこれで感心してしまいました。
きっと、こういった質問が出される
シチュエーションの違いによっても、ずいぶん違いがあるんでしょうね。
理解は、言葉だけではなく行間を汲み取ることも大事
こんなことを感じながら思いだしたのが、
本で読んだ、ディズニーランドのキャストの話でした。
ある時、ディズニーランドのキャストのところに
ゲストが来て
「3時のパレードは
何時に始まりますか?」
と質問をしたそうです。
私なら
「そんなの
3時からに決まってるでしょう!」
なんて答えそうです。
でも 優秀なキャストさんの答えは
「はい、予定通り3時に始まります。
30分ぐらい前に行くと
いい席がとれますよ。」
(30分かどうかは別にして)
という答えだったそうです。
目の前の人が
本当に質問をしたかったことは
何だったのだろう?
と考えての答え、とのことでした。
さすがでした。
まとめ
相手の人を理解するには、
相手の人に聞くことは、とても大事なことです。
ただ、
聞いた答えだけで、相手の人の気持ちが全部わかるというわけじゃないようです。
口調や表情などを、よく観察することで、相手の人の理解が、より深まります。
一生懸命、
相手の人を
理解しようとする気持ち
が、あればあるだけ、相手とのいい関係、思いやりが深まると言えましょう。