聞き上手は大事なことだ、ということはいろんな人がいろんなところで言っていることですね。
この場合の聞き上手ってなんでしょう。似たような意味の言葉で
聞き出し上手
聞き役
などがありますが、これらはちょっと違いますよね。
こちらが知りたいことをうまく相手から聞き出すことだったり、単に聞き役に回ってしまうことなんかは、いわゆる「聞き上手」と言われていることとは違います。
あるいは授業で先生の話を聞くこととか、会議で誰かの発言を聞くなどを聞くことについては、普通は「聞き上手」とは言いません。
当然のように、頑張ってしっかりと聞かなければいけない話ですから。
普通、
聞き上手は大切なこと
といった時の「聞き上手」というのは、雑談だったり相談だったりといった、
いい時間を過ごす
有意義な時間を過ごす
のような会話の時の話ですね
聞き上手が大切と言われるのはどうして?
聞き上手が大切と言われるのはどうしてでしょうか?
それは、聞き上手な聞き方の中に、相手に対しての
思いやり
があるからですね。相手の人といい時間を過ごしたい、という思いです。
だからといって、
誰の話も全部
よく聞きなさい
という意味ではありません。この人の話ならよく聞いてあげよう、と思える人の話の場合だけですね。
八方美人的に誰の話でも「聞き上手」に徹していたら、きっと疲れ果てちゃうでしょう。
例えば自分が親なら、他人の話は適当に聞いていても、我が子の話だけは聞き上手に徹して聞いてあげようと考えたとしたら、それはそれで立派なことです。
そのことに何の問題もありません。
ところで
どうして聞き上手が
大切なの?
ということですが、人は普段はあまり意識していなくても
「誰かに話したい」、
「教えたい」
という欲求がとても強いからです。
「王様の耳はロバの耳」という話を知ってますでしょうか。
王様の耳がロバの耳だということを知ってしまった床屋が、誰かに話したら殺されてしまうということで、地面に穴を掘って、その穴に向かって「王様の耳はロバの耳」と叫んだという話です。
あなたも何か面白い話を知った時、そのことを誰かに話したくてしょうがない、と思ったことが一度や二度ならずあったと思います。
こんな思いは誰もが持っています。そしてなかなか話すチャンスがなくて、欲求不満になっているのです。
そんな時、あなたがその人の話を聞いてあげたら、その人の目にはあなたが「天使」に見えるかもしれませんね。
そして、話したいことの中では「自分のこと」が誰にとっても大きい話題です。みんな自分のことがいちばん興味があるんですね。
社会心理学の中でも、自分のことを誰かに話すことは幸福感を高める、なんていう研究があります。
どうして話したいことを話さないの?
じゃあ、どうしてみんな自分のことや自分の知ってることを他の人に話さないの?
と思ったりするかもしれませんが、どうして話さないのかは、これを読んでいるあなた自身がよ~く分かっていると思います。
誰かに何かを話せば
必ず反応が返ってくる
からなんですね。
そうじゃないよ、本当はね…
そんなこと気にするな…
バカだなお前は…
オレなんかもっと…
みたいに、否定されてしまったり、バカにされたと感じるようは反応だったりというのが、結構多いんじゃないでしょうか。
みんな、こんな否定されたりバカにされてしまったりという経験を何度もしてしまった結果、だんだん話せなくなってしまっているんですね。
だけど、
本当は誰もが
話したくて話したくて
仕方がない
のです。
だから聞いてくれる人が欲しい
だから、聞いてくれる人がいてくれたら、喜んで話します。聞き上手な人は「生活必需品」みたいなものかもしれません。
だからといって、あなたが
さあ、私に何もかも
話しなさい
聞いてあげますよ
なんて言ったとしても、相手の人が突然あなたに話し始めるなどということはありません。
他人に話していやな思いを何度もした人なら、あなたに話してもいやな思いをすると感じているはずですよね。
だから辛抱する必要があるんですね。
その人にとっての本当の聞き上手になるためには、その人の言うことは否定せず、
あ、この人はこう感じたんだな
どうしてこう感じたんだろう?
みたいに、粘り強く受入れてあげることが大事なんだと思います。
人には誰でも
聞かれたいこと
聞かれたくないこと
話したいこと
話したくないこと
があります。
人は、聞かれたくないこと、知られたくないこと、話したくないことを話題にされるかもしれない、と感じた時、突然黙るかもしれません。
なので、時には
何も話さない時間
を大切にしてあげることも必要になるかもしれません。
辛抱強く待っていて、ある日突然あなたにいろんなことを話し始めたとしたら、それはあなたが
その人の信頼を
勝ち取った!
時のことですね。
この人になら
何を話しても大丈夫!
と思ってくれた時です。
そんなとき、あなたは「天使」に見えているかもしれません。
そして、その時のあなたは
聞き上手の
スペシャリスト
になった時かもしれません。