クリスマス絵本・園児編
まもなくクリスマスです。
4-5歳にもなると、絵本を読んでもストーリーや他の人の心の動きなどがずいぶん分かるようになります。
ちょっとした心の動きのあるストーリーや親子のふれあい、冒険ものなど、少しずつ幅が広がってきます。
もちろん、食べ物やクイズなんかもとっても好きです。
文字も少しずつ覚え始め、一人で読むことも増えてくるこの年頃のこども、幼稚園児たちが喜びそうな絵本をいくつかピックアップしてみました。
絵本選びの参考になれば幸いです。
ただし、ネタバレを含みますので、ご了解ください。
サンタ編、しかけ絵本編、読み聞かせ編、大人編、
赤ちゃん編、幼児編、園児編、低学年編
こころを感じる絵本が好き
<ちいさなもみのき:マーガレット・ワイズ・ブラウン>
小さなモミの木がある日、男の人に掘り出されました。
そしてクリスマスになると、その男の人の家にいる、病気で歩けない男の子と毎年いっしょに過ごしました。
冬が終わるとモミの木は森に帰され、クリスマスのたびに男の人に掘り出されて、男の子と一緒に過ごすのでした。
でもある冬、男の人はモミの木のところにはやってきませんでした。モミの木は男の子が心配でたまりません…
そんな、モミの木と男の子との心が通うクリスマスの絵本です。
生きるということがどういうことか、子どもにも分かるようにシンプルに描かれています。
途中、読み聞かせの声が詰まってしまいそうな切ない場面もありますが、
大丈夫、最後はハッピーエンドで、心が癒されます。
<よるくま:酒井駒子>
「ママあのね…きのうのよるね」
ぼくがママのベッドに入って眠る前のひと時に、ママにお話します。
ぼくのところにやってきた「よるくま」とぼくとの、一夜のお話です。
それは、よるくまくんのお母さんがいなくなってしまい、ぼくといっしょによるくまくんのお母さんを探しにでかける、というお話でした。
絵が可愛くて文章も優しい感じです。
最後によるくまくんのお母さんが見つかるのですが、お母さんの言葉はとても優しくて暖かくて、母の温もりを感じさせてくれます。
ただ、子どもの中にはこの絵本が「怖い」あるいは「嫌い」といった反応もずいぶんあるようです。突然お母さんがいなくなる恐怖を覚えてしまうのかもしれません。
たとえば、子どもにくまさんのぬいぐるみを抱かせて聞かせてあげれば、「僕の目線」でよるくまくんのお母さん探しを助けてあげるという、優しい気持ちになれるかもしれません。
「よるくまくん目線」で読んでしまうと、怖い話に思えてくるのかもしれません。
このあたりは、小さな子にうっかりした恐怖を与えないよう、ちょっと注意して読んであげて頂ければと思います。
<サンタさんとこいぬ:長尾玲子>
となかいが熱を出してしまったので、今年のサンタさんは一人ぼっちでプレゼント配らなければいけません。
でも途中で子犬と出会って、いっしょに配ることになりました。
でもこのサンタさん、そりを引いて坂を登ったら疲れてしまい、もうやめようかなんて言う始末です。
途中道を間違えたり、早くしないとと子犬にせかされたりと、ちょっと頼りなくて、いつもとはひと味ちがったサンタとクリスマスのお話です。
読んであげるとき、自分の名前とおともだちの名前に変えてあげると、より楽しくなるようです。
子どもは食べものがやっぱり大好きですね
<からすのおかしやさん:かこさとし>
カラスのパン屋さんの子どもたちのその後のお話です。
大きくなったチョコくんが、こんどはお菓子やさんを始めました。
おいしそうなクッキーだったりケーキだったりと、食べたくなりそうなものばかりで、
子どもたちにとても喜ばれそうです。
親子で「カラスも大きくなったんだね~」と、ほのぼのとしてしまいます。
ゲームばかりではなく、こういった本もなかなかいいものですね。
<わたしのおべんとう:スギヤマカナヨ>
きょうのわたしのおべんとうは、ジャーン、ツナタマゴのサンドイッチ。
きのう、おかあさんとつくったミートボールもあるんだ。
おとうさんはね、ブロッコリーきらいなんだよ。わたしはだあいすき。
こんな楽しいおべんとうの時間です。
表紙が、ハンカチで包まれたおべんとうで、ページを繰るとサンドイッチや果物で一杯の中身があらわれてきます。
そして、それを一つずつコメントしながら食べていくのです。
なんだかおべんとう一つにも物語を感じてしまいます。
ほのぼのとして、またページを開けてしまいたくなるような絵本です。
バムちゃんケロちゃんはまだまだ大好きです
<バムとケロのにちようび:島田ゆか>
バムちゃんとカエルのケロちゃんのお話で、シリーズのひとつです。
雨の日曜日、ケロちゃんがドロンコになって帰ってきます。
バムちゃん、せっかくきれいに片づけたのに・・・
バムちゃん、まるでお母さんみたいに世話をやいてくれるんですね。
バムとケロの部屋は素敵な家具と小物であふれています。
何度も読み直すと、さっきは気づかなかった小物でも、こんどは見つけたりします。
あ、こんなところにケロちゃんがいたんだ!
なんていうことがよくあります。
ストーリーも面白いのですが、絵を見ただけでもストーリーが分かってしまいます。
絵の中に隠れているお話を探し出すのもまた楽しいものです。
ただし、突然大量の虫がでてきたりしますので、虫嫌いの人はちょっと注意が必要かもしれません。
でも、蛾なんかでも可愛くて丁寧に描かれているので、慣れれば問題ないとは思います。
<バムとケロのそらのたび:島田ゆか>
バムとケロちゃんシリーズの中のひとつです。
パンケーキを食べているところに、おじいちゃんから組み立て式飛行機が送られてきました。
飛行機を組み立てて冒険旅行に出発です。
玉ねぎ山脈だったりかぼちゃ火山だったりと、行く先々でのアクシデントと絵がとても楽しく、読む人をファンタジーの世界に連れて行ってくれるようです。
挿絵のどこかにケロちゃんが隠れていないかな? こんな隠れキャラ探しなどが、まるでゲーム感覚でできるのも子どもにとってはまた楽しみです。
随所に小ネタがあり、子供にとってはじーっと絵を見ているだけでも楽しいようです。
このシリーズの特徴でもありますが、子どもにはとても受けてるのに、大人から見ると何が面白いのか分からない、なんていう話もよく聞きます。
作者の方が子ども目線で描いてくれているせいかもしれません。
<バムとケロのもりのこや:島田ゆか>
バムとケロちゃんシリーズの中のひとつです。
シリーズの他の絵本同様、ページごとに散りばめられたキャラクターはウォーリーを探せのような楽しさがあります。
細部までこだわって描かれた優しくユーモラスなキャラクター達がいて、この本も見るたびに新しい発見があります。
ただし1ページに3-4コマがあって、ちょっと読みにくいという印象もあるようです。
その他にもまだまだたくさんあります
<あっちゃんあがつく:さいとうしのぶ>
あっちゃん あがつく あいすくりーむ いっちゃん いがつく いちごじゃむ…。
うたって嬉しくなるようなはやし歌においしそうな絵をつけた、楽しい絵本です。
リズムに乗って読んでいるうちに、身近な食べ物をたくさん覚えてしまいます。
テンポがいいので、小さい子でも自分で読んで楽しむことができます。
そして、知らない間にひらがなを覚えてしまうので、
ひらがなをなかなか覚えられない子どものためにも役に立っている様子です。
ちなみに、濁音、半濁音もあります。
リズム感があって楽しいので、何度も読むことができ、
「あ」がつくもの何だ?みたいにクイズをだすと、この本に出てくる言葉がでてきます。
本になかなか興味が持てない子に、少しずつ興味を持ってもらうのにも役立ちそうです。
<クリスマスおめでとう:ひぐちみちこ>
クリスマスの本当の意味を子どもたちに教えたいという願いからできた絵本です。
ベツレヘムや馬小屋などといった話はなくて、
純粋にクリスマスはイエス様がお生まれになった日なので、お祝いをしましょうという内容です。
内容は真面目なキリスト誕生の絵本ですが、可愛いらしい絵と文章で、
「クリスマスはイエス様がお生まれになった、嬉しい日」と教えてくれます。
この絵本を読んで、素直な優しい気持ちでクリスマスを迎えられそうです。
<ミッケ:ジーン・マルゾーロ>
「みずでっぽうをミッケ!」「カウボーイハットもミッケ!」とおもちゃばこにかくれている、いろんなものをみんなで探す、かくれんぼ絵本です。
小さな子から大きな子まで、一緒になって「○○はどこかな?」と聞かれると夢中になって探し始め、見つけると「あった」と大喜びです。
別のページをめくってまた見つけると「こっちにもあった!」なんて大興奮です。
「絵」ではなく「写真」のように描いてあり、リアルな感覚で探し物ができます。
ただ、中古品だと前の所有者が鉛筆で丸をつけたあとなどがあったりすることがあるので、なるべくなら新品の方がいいかもしれません。
何はともあれ、親子で一緒に楽しめる絵本です。
まとめ
これは単なる個人的な感想ですが、絵本選びに少しでも役立つなら嬉しいです。
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