クリスマス絵本・読み聞かせ
まもなくクリスマスですね。
今年もたくさんの子どもたちがクリスマスを楽しみにしています。
そんな子どもたちに、何かクリスマスにふさわしい話の絵本を、読み聞かせてあげたい。
読み聞かせていると、子どもたちの目が輝きだして、どんどんお話の中に入ってくる、
そんな絵本があったら最高ですね。
そして、子どもたちも大人も楽しいクリスマスを過ごせる、そんな絵本を何冊か取り上げてみました。
絵本選びの参考になれたら幸いです。
ただし、ネタバレを含みますので、ご了解ください。
サンタ編、しかけ絵本編、読み聞かせ編、大人編、
赤ちゃん編、幼児編、園児編、低学年編
もうすぐクリスマス・バージョン
<ぐりとぐらのおきゃくさま:なかがわりえこ>
森で雪合戦をしていたぐりとぐらが、雪の上に大きな足跡を見つけました。
足跡は森をぬけ、原っぱを通り、ぐりとぐらの家まで続いていました。
ドアを開けると玄関には大きな長靴、壁には真っ赤なオーバーと白いマフラー、そして赤い帽子がかかっています・・・
家の中に誰かいる!というドキドキ感や、“おきゃくさま”と対面したときの驚きなど、
読んでいる人に、自分もその場所にいたいと思わせてくれる本です。
ぐりとぐらの可愛い家の中が公開されていたり、なによりサンタさんの作るケーキの美味しそうなこと!
まるで夢の国にでも行ったかと思わせてくれます。
その後のお友達とのクリスマスパーティーも楽しそうで、ひとつひとつのページが心に響く、心温まる絵本です。
クリスマスプレゼントにも喜ばれそうな一冊です。
<おおきいツリー ちいさいツリー:ロバート・バリー>
クリスマスツリーをめぐるお話です。
もうすぐクリスマスで、ウィロビーさんのお屋敷には、それはそれは大きなクリスマスツリーが届きました。
でも大きすぎて入りきりません。先っぽを切ってしまいました。
切られた先っぽは、小間使いのアデレードさんのところに行くのですが、そこでも先っぽをちょん切ることになります。
その切られた先っぽが、またまた別の家に行って…
どんどん新しい所有者のところに移っていくというシンプルなストーリーですが、このシンプルさがとても楽しいですね。
サンタさんは出てきませんが、クリスマスを感じられる絵本です。
幼稚園や小学校などでの読み聞かせには適した絵本と言えます。
<サンタさんからきたてがみ:たんのゆきこ>
雪の降り積もったクリスマスの前の日、ネズミの郵便屋さんがみんなにお手紙を配ったのですが、雪に濡れてしまって宛名が分からなくなったお手紙が、最後に一通だけ残ってしまいました。
そこで森の動物の仲間たちが集まって、みんなで考えてくれました。そして分かったことが…
動物達の様子がやさしくきれいに描かれている素敵な絵本です。
そして、誰あてにきた手紙なのかを動物みんなでクイズのように考える場面は子どもたちも面白いようです。
<サンタさん ありがとう:長尾玲子>
しんちゃんがサンタさんにお友達になってくれるクマが欲しいとお手紙を書きました。
でも、サンタさんはうっかりしてしんちゃんのおもちゃを用意するのを忘れてしまいました。
そこで、サンタさんは自分でクマを作って、言葉も教えてあげました。
言葉を教えてもらったくまさんとサンタさんの、心温まる絵本です。
くまさんは本当はサンタさんと離れたくなかったのですが、くまさんを待っている子がいるからと教えられ、その子のおもちゃになる決心をしたのでした。
くまさんがくつ下の中に入ってまっている時の孤独感や、しんちゃんと出会ったときの喜びなどは、思わずジーンとくるほどです。
ページごとに絵がとても可愛くて、せつない場面もありますが、心温まるお話です。
ほのぼの・あたたかバージョン
<ねんにいちどのおきゃくさま:亀岡亜希子>
オコジョのタッチィは山に住んでいて、ときどきトムサおじいさんの住んでいる山小屋に遊びに行きます。そのおじいさんは年に一度だけ山を下りて、たくさんの荷物を持って帰ってきます。
次の日は待ちに待った「年に一度のお客様がやってくる日」でした。お客様はおじいさんの孫でした。タッチィも招待され、楽しくクリスマスを過ごしました。
でも、歳をとったおじいさんは町へ引っ越していきました。
何もしらないお客様はいつものようにおじいさんのところに来ますが、もういません。
そこでお客様を悲しませないよう、タッチィが…
静かなクリスマスのお話でしが、温かさを感じる、そして心に残るお話が魅惑的な絵と共に語られます。
そしてタッチィのけなげで優しい心と行動に、胸がキュンとなります。
とても癒される絵本で、読み聞かせにも適しています。
ところで、ここではサンタさんやイエス・キリスト様は出てきません。
オコジョのタッチィと山で暮らすおじいさんとその孫の心温まるお話です。
<てぶくろ:エウゲーニー・M・ラチョフ>
おじいさんが森の中に手袋を片方落としてしまいました。
雪の上に落ちていた手袋にネズミが住み込みました。
するとカエルやウサギ、キツネなどが次々とやってきて、「私もいれて」とみ~んな入ってしまいました。
最後には大きなクマまでやってきて、どうなるんでしょうか?
そうこうしているうちに、おじいさんが手袋を探しに戻ってきてしまいました・・・
何十年も昔、子どもの頃にに読んだ絵本が、いままた記憶によみがえってくる、そんな思い出に残る一冊です。
真冬の雪深い森の中、あたりはとても寒いけどてぶくろの中はとてもあったかそうです。
そこにいろんな動物たちが、それも次第に大きな動物たちまで集まってきます。
その寒くて小さな世界に心を寄せ合う動物たちがいました。みんなでいると温かくて乱暴をする動物もなく、会話も弾みます。
人々の優しさと想像力が生み出す物語です。
子どもたちへの読み聞かせに便利です。
<ともだちや:内田麟太郎>
ある日、さびしがりやのキツネが「ともだちや」を始めました。
「え~、ともだちはいりませんか。」
ともだち1時間100円、ともだち2時間200円です。
そして出会ったのがくまさんとオオカミさん、
こわもての二匹に声をかけられてしまって、キツネさんはちょっとどきどきしてしまいました。
オオカミさんとともだちになって、キツネさんが代金を請求すると
「おまえはともだちからお金をとるのか!」
と言われてしまいました。
「本当のともだちって何だろう?」
と考えさせてくれるストーリーで、ともだちの多い子も、苦手な子も、それぞれに
最後まで読みすすんでしまう、ほのぼのとした本です。
ホントに困ったときに、どれだけの人が手を差し伸べてくれるんでしょうか?
小学校に上がるまえの「友達トレーニング」といった感じです。
最後は、何時間でもただ! 毎日でもただ!
になっていました。
大勢に読み聞かせるのに便利な本です。
<ねずみくんのクリスマス:なかえよしを>
ねみちゃんにみせようと、ねずみくんがクリスマスツリーを作りました。
そこへあひるさんがやってきて、「ちいさい ちいさい」とおおわらいしてしまいました。
こんどはうさぎさんがやってきて、あひるさんのツリーをおおわらいします。
次から次へとおおきなどうぶつがあらわれて、そのたびにツリーがだんだん大きくなります。
最後にとっても小さなツリーをもったねみちゃんがあらわれました。
みんなはそのツリーをみておお笑いしますが…
ねみちゃんが笑われているとき、ねずみくんがねみちゃんを心配していたりするなど、
絵もストーリーもとても温かい感じがします。
でもラストのしかけにはびっくりする、心あたたまるクリスマスのお話です。
たのしい読み聞かせバージョン
<クリスマスの三つのおくりもの:林明子>
クリスマスに、かすみちゃん・れいちゃん・もっくんの三人兄弟のそれぞれのエピソードが納められた、手のひらサイズの絵本三冊セットです。
子供の気持ちがよくわかる林明子さんのきれいな挿絵で、心が癒されます。
サンタさんがくるのを待ちきれず、サンタさんを探しに出かけてしまった、一番下のれいちゃんです。大きな袋を担いだサンタさんを見つけました。
でも袋に穴が開いていて、プレゼントが次々と落としてしまいます。
サンタさんが気づくと、急いで穴をふさぎおもちゃを袋に詰めますが、間違えてれいちゃんまで袋に詰めてしまいました・・・
れいちゃんの頭をなでるサンタさんの手がふくよかで暖かそうです。
小さな手のひらサイズですが、子どもが持つにはちょうどいいサイズとも言えます。
優しくて温かくてファンタジーを感じる絵本です。
プレゼント、読み聞かせにも適しています。
<おばけのてんぷら:せなけいこ>
主人公のウサギのうさこちゃんが天ぷらを作ります。
そこへ、おいしいにおいに誘われて、おばけがつまみ食いにやってきました。
うさこちゃんに見つからないよう、天ぷらをつまみぐいしてしまうんですが、こんどはおばけが天ぷらにされてしまいそうになる、というほのぼのストーリーです。
このおばけはちっともこわくなくて、むしろ可愛いです。
素朴な、そしてちょっと危なっかしいうさこちゃんとの組み合わせで、ほのぼのとしたストーリーとなっています。
最後にはオチもちゃんとついています。
読んだ後には「天ぷら」が食べたくなってしまいます。
ところで、この本は小さくてかわいい絵本で、お出かけサイズです。
ですが、読み聞かせには大型版もあります。
<みみかきめいじん:かがくいひろし>
みみかきめいじんのところに、たくさんの動物たちが
みみかきをしてもらおうと詰めかけてきます。
ぞうさんだったり、ウサギさんだったり、中には透明人間まできてしまいます。
めいじんは、きた人にあったみみかき草を選んで、みみかきをするのですが、
みみかきをしてもらうと、みんなとろけるほど気持ちがよくなってしまいます。
「みみかきやの ひょ・うーたんせんせいが」
で始まったり、
「ぷっとまいてぷっとまいてぷっぷっぷっ」
なんて言ってる場面を読み聞かせたら、子どもたちには大うけです。
小さな子でも、言葉のリズムがいいので面白いようです。
絵もよく見ると細かいところまで、思わず笑ってしまうところがたくさんあります。
読み聞かせにとてもあった絵本です。
<ぼくのおべんとう:スギヤマカナヨ>
おべんとうをパカーンと開けます。
まずはたまごやき、やったあ、からあげもあるぞ、「ねえ、ミートボールとからあげ、とりかえっこしようよ」「うん、いいよ」
みんなで楽しいおべんとうの時間です。
大人からすると単純な内容なんですが、子どもたちにとっては、楽しい楽しいおべんとうの時間です。ご飯の中から現れるタコウインナーは子どもたちに大うけです。
「わたしのおべんとう」と合わせて読むといいかも。
まとめ
これは単なる個人的な感想ですが、絵本選びに少しでも役立つなら嬉しいです。
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