クリスマス絵本・低学年編
まもなくクリスマスです。
小学生にもなると、まだまだ子どもというところもありますが、もう大人とも言えるような感受性も備わってきますね。
そろそろサンタクロースってほんとにいるの? なんて言ってくる年齢です。
でも、本当はまだまだサンタクロースを信じていたいし、信じさせてあげたい年齢でもあります。
少しずつ大人の世界に入りつつあるとともにまだまだ子どもという、そんな子たちに喜ばれそうな絵本をいくつかピックアップしてみました。
絵本選びの参考にしていただけたら幸いです。
ただし、ネタバレを含みますので、ご了解ください。
サンタ編、しかけ絵本編、読み聞かせ編、大人編、
赤ちゃん編、幼児編、園児編、低学年編
いろいろなサンタクロースがいるんだね
<さむがりやのサンタ:レイモンド・ブリッグズ>
「やれやれまたクリスマスか! 」と面倒くさそうに目を覚ますサンタクロースのお話です。
さむがりで南国を夢見るサンタさん、家には南の国のポスターを貼っています。
今年も寒い中ぶつぶつ言いながらクリスマスのお仕事に出かけていきます。
人のよさそうな、ずんぐりむっくりしたサンタさんは、とても人間的で親しみを感じてしまいます。
もしかしたら、いままで描いていたサンタクロース像と違う、と感じる人もいるかもしれませんね。
でもこのサンタさん、結構マメで几帳面なんです。そして一緒に暮らしている犬や猫にもとっても優しいのです。
なので、何とも言えない温かみとほっとする感じがよく表れています。
「こんな老後を送りたい」、なんていう人もいるほど身近に感じるサンタさん、不思議な魅力を感じてしまう絵本です。
この世界を受け入れてしまえば、とても楽しい絵本で、大人も楽しめます。
あ、せりふは少ないので読み聞かせにはあまりむかないかも…
<サンタクロースとしまのゆうびんやさん:エアーダイブ>
遠くにある「サンタクロース島」という小さな島に、とってもやさしい「サンタクロース」と島のゆうびんやさん「モグタン」がいました。
いまはクリスマスの準備で大いそがしです。
島のみんなに大切なお手紙を届けるため、サンタさんはモグタンのお手伝いをすることにしました。
中身はとてもカラフルで、島のあちこちを冒険しているみたいです。
お話も絵もとてもかわいくてほっこりしてしまいます。
そして、この登場人物は、どこか働くお父さんみたいでもあります。
最後はお手紙が一通残ってしまったのですが…。
クリスマスプレゼントの候補の一角です。
<サンタおじさんの いねむり:ルイーズ・ファチオ>
クリスマスの日にサンタさんからプレゼントがもらえるという夢、そして動物たちの温かい心がつまっていて、ほっこりさせられる絵本です。
クリスマスのプレゼントを配っている途中で眠ってしまったサンタさんを、森の動物たちがみんなで力を合わせてプレゼントを配ってくれます。
少しずつ大人の世界に仲間入り
<賢者のおくりもの:オー・ヘンリー>
クリスマスにぜひ読みたい オー・ヘンリーの傑作です。
つましく暮らす若い夫婦のジムとデラが、クリスマスのプレゼントとして、互いに相手を思いやるものをプレゼントするのですが、結果としてどちらも役には立ちませんでした。
お互い、「バカなことをしてしまった!」と感じてしまうかもしれない物語ですが、
「二人のような人間は最高の賢者である。彼らがマギなのである。」
と結ばれていました。
なかなか奥の深い物語です。
参考「賢者の贈り物の賢者の意味を知る」https://polka-smile.com/850.html
<クリスマスってなあに:ディック・ブルーナ>
聖書に基づいたクリスマスの起源を、ブルーナさんが子どものためのクリスマス絵本として描いてくれました。
星に導かれて、東方の三博士が旅をするというキリスト生誕の話が、やさしい絵と文で順序よく描かれています。
あまり宗教っぽくはありませんが、聖書のキリスト誕生の話を分かりやすく教えてくれています。
日本ではクリスマスの意味がよく分からない場合も多いかと思いますが、本当のクリスマスを知るきっかけになるでしょう。
<コーギビルの村まつり:ターシャ・テューダー>
コーギビル村の村まつりでは、ヤギレースで村中が盛り上がります。
コーギ犬のケイレブは、ヤギのジョセフィーンを何ヵ月もかけて調教して、このレースに挑みました。でも、きたない手で優勝を狙っている相手もいます。…
コーギビル村でクリスマスの次に楽しい村まつりでのお話です。
犬や猫といった動物たちの他に、トロルという妖精まで登場して、いろんなドラマを繰り広げてくれます。
猫のエドガー・トムキャットが食いしん坊のコーギ犬のケイレブにホットドッグを渡すと、それを食べたケイレブがおなかがいっぱいで、寝転んでしまいます。
でもそこで、妖精のトロルがケイレブを救ってくれるのです。
ターシャ・テューダーの描く絵で、生活雑貨やキャラクターが細部まできっちりと描き込まれていて、それぞれ生き生きとしています。
そして、登場人物は動物ですが、とても人間的で楽しめます。
とちらかと言えば、大人の方が楽しめそうな絵本ですね。
<おしゃべりさん:さいとうしのぶ>
毎日新聞の連載コラムを本にした内容です。
子どもの身の回りのいろんなものがおしゃべりをしてくれます。
トーストだったりマンホールのふただったり、ランドセルやトイレのマークまでおしゃべりをしてくれます。
1ページに一人の主人公がそれぞれの気持ちを語ってくれて、全部で30話なので、1日に1話ずつ読めば1ヵ月ということになります。
すし屋さんで「わさびさんが…」、歯が抜けると「歯さんが…」などと日常の身の回りのものがおしゃべりしていて、読んでいるとそれぞれの気持ちが「分かる分かる」と思えて、笑ってしまいます。
それでも、やっぱり楽しい絵本が好きですね
<ノラネコぐんだん きしゃぽっぽ:工藤ノリコ>
いたずらっ子のノラネコたちが、汽車を舞台に大あばれします。
やんちゃだけどどこか憎めない、ノラネコ軍団の魅力がいっぱいの絵本です。
ワンワンちゃんたちが汽車に荷物を積んで、ちょっとお茶を飲んで休んでいると、ノラネコぐんだんがワンワンちゃんの汽車を勝手に動かしてしまったので、さぁ大変です。
前回こってり絞られて、たっぷり反省したはずなんですが、まったく凝りていません。
またまたでっかい事件を起こしてしまいます。
毎回お決まりのパターンですが、並んで正座させられているノラネコ達の後ろ姿がなんとも言えず可愛くて、許してあげたくなっちゃいます。
大人がハマってしまうストーリーです。
「悪いとおもってますか?」
「はい、おもってます」
親子でこんな会話が増えてしまいそうですね。
<ノラネコぐんだん おすしやさん:工藤ノリコ>
いたずらっ子のノラネコぐんだんが、またまたなにやら悪だくみをたくらんでいます。
今度はお寿司屋さんに、夜中にこっそり忍び込みます。そしてまたまた、ニャーニャー、ドッカーンと大変なことになってしまいました。
今回はいつもよりちょっと頭を使ってお寿司を食べようとしているようです。
またお寿司屋さんに潜入するのかな? と思ったら、違ってました。
このノラネコ軍団の悪だくみがストレートじゃないので、子どもにはちょっと説明が必要かもしれません。
でも結束が固くて憎めない軍団です。頭はよさそうなのに、ちょっと使い方が間違っている感じがなんとも言えません。
そして最後はやっぱりお決まりのパターン、ちゃんと反省させられ、罪滅ぼしの作業がありました。
<おしゃべりさん:さいとうしのぶ>
毎日新聞の連載コラムを本にした内容です。
子どもの身の回りのいろんなものがおしゃべりをしてくれます。
トーストだったりマンホールのふただったり、ランドセルやトイレのマークまでおしゃべりをしてくれます。
1ページに一人の主人公がそれぞれの気持ちを語ってくれて、全部で30話なので、1日に1話ずつ読めば1ヵ月ということになります。
すし屋さんで「わさびさんが…」、歯が抜けると「歯さんが…」などと日常の身の回りのものがおしゃべりしていて、読んでいるとそれぞれの気持ちが「分かる分かる」と思えて、笑ってしまいます。
<しりとりしましょ!―たべものあいうえお:さいとうしのぶ>
「あ」で始まる言葉から始まって、次々とテンポ良く食べ物の名前でしりとりが続いていきます。
最後にあるメロディーを覚えて、そのリズムに合わせて楽しく歌いながら楽しく読んでいると、知らず知らずのうちにいろんな食べ物の名前やひらがなを覚えてしまいます。
絵が細かくて、同じ登場人物(食べ物)が違うページに登場してくるのを探したりするのも楽しみですし、最後の方で絵だけ描いてあって「君の好きなものでしりとりしてね!」というページなども、とても楽しめます。
そしてしりとりだけじゃなくて、各ページごとにストーリーが隠れている、とても凝っている作品になっています。
まとめ
これは単なる個人的な感想ですが、絵本選びに少しでも役立つなら嬉しいです。
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