認知症と生きる 地域で支える・3安心の条件

放送大学・「認知症と生きる」第15章

地域で支える・3安心の条件
認知症と生きる 地域で支える[15章C] 3安心の条件

講義内容の整理

認知症になっても、自分が住み慣れた地域で安心して暮らせるために、どんなことが必要になるのでしょうか。

きっとそのためには、認知症になった時に孤立してしまわない、周囲との関わりを持ち続けることが大事になるのでしょう。

そのために最近は、地域でのつながりを持ちながら認知症のことを考えていく、という取り組みが増えてきました。

ここではそんな取り組みのひとつとして、奈良県で行われている若年認知症サポートセンターの「きずなや」の代表の方のお話しから勉強をしていきます。

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安心の条件

認知症になっても安心して暮らしていけるために必要なことは何か。

当然ひとつだけの要素で決まるということではありませんが、周囲の人との関係がしっかりあるということはとても大事になります。

私たちが暮らしている社会は認知症の人だけでなく、障害者の人だったりお年寄りの人だったり、そして子供や若者が暮らしています。

  安心できる街を
   生み出していく

ということのためには、こうした様々なプレーヤーがつながりあって一緒に考えていく、ということもとても大切なことと言えます。

講師の先生が主催する「認知症フレンドシップクラブ」というNPO法人では、このために

  ラン伴(とも)

というイベントを行いました。

このラン伴というイベントは、認知症の当事者、家族、介護者、そして地域に暮らすさまざまな人たちが一緒になって、ひとつのタスキをつないで走るというイベントです。

こうした体験をもとに、地域に暮らすみんながつながりあいながら、みんなで考えていこうという狙いもあるイベントです。

「きずなや」の方のお話しから

認知症のことを考えた取り組みはたくさんありますが、ここではその中のひとつ、奈良県で行われている

  若年認知症サポートセンター
  「きずなや」

の代表の方のお話しです。

 ・「きずなや」というのは
  どういったものですか

若年認知症の人が高齢者の介護保険では対応されない時代には、行く場所がありませんでした。

そして働きたいと思ったり、本人たちが集まりたいと思っている、そういった人たちが集まれる場所をつくりたいという理由で、このセンターをつくりました。

 ・具体的な活動は

「認知症の人々と一緒に働く」ということを中心に、認知症を理解してもらうためのイベントを行っています。

ただ、若年認知症というテーマを中心に置いてしまうと、障害者の人だったりシングルマザーの人だったりという、周囲との連携ができないということも分かりました。

なので、地域ネットワークをつくるために、新しいシステムとして、例えば

  「働く」

のようにテーマを変えることで、多くの人と活動ができるかもしれない、と思いました。

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 ・それが
  SPS「きずなや」になった?

そうです。

SPSは(social problem solution)で、社会問題を解決しようというものです。

ただ、若年認知症を中心とした立場で取り組む、という意思表示はしています。

 ・具体的な活動の内容は

ある地域では人手が足りない、他の場所では働きたいのに働けない、という状況をマッチングさせれば地域が活性化する、あるいは地域同士のつながりを強くできる、ということに着目しました。

たとえば奈良県では若い人が少なくなっています。

そして、農業の担い手がいない、誰が観光地の管理をするのか、といった問題もあります。

そこで、仕事を求める人たちと、高齢化の問題を抱えたこの地域を結びつけていこうと考えました。

そして、奈良県にある文化遺産も守っていかなければいけない、そして守るためには経済活動も必要になる、

そんなことを地域のみんなで考える、その中に若年認知症の人たちも入れてもらう、という構想です。

 ・文化遺産はすてきな家です
  どんなふうに活動を展開しますか

大学生からお年寄りまで、地域のみんなで考えるためみんなで集まります。

そこには、

  ナレッジサロン?
  喫茶店、スイーツ店?

など、いろいろな可能性がありますが、それぞれの思いを持った人が自立して動ける形にするのが、このプロジェクトのスタートです。

この講義を受講して

まず感じたのは、この「きずなや」の代表の方が、私の目から見たらとてもとても頭のいい、そして実行力のある方ということでした。

この代表の方は、他の何をやっても成功させてしまうに違いない、そんな風に私は感じてしまいました。

そんな人が若年認知症の人だったり障害者の人だったりのため、そして日本の貴重な文化遺産の保護だったり、そのための経済活動の話だったりと、感激することばかりでした。

こういった活動を通じて、認知症のことも、障害者のことも、さらにはシングルマザーなど、お互いの理解がより深まって、安心して暮らせる街に近づくのだと思います。

そして、その代表の人が実際に取り組んでいるプロジェクトが次に紹介されています。

  地域で支えるプロジェクト

こちらも楽しみです。

参考

  (認知症と生きる 地域で支える[15章A] 1取り組み)
  (認知症と生きる 地域で支える[15章B] 2認知症カフェ)
  (認知症と生きる 地域で支える[15章C] 3安心の条件)
  (認知症と生きる 地域で支える[15章D] 4プロジェクト)
  (認知症と生きる 地域で支える[15章E] 5サミット)
  (認知症と生きる 地域で支える[15章F] 6企業)

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