放送大学・「認知症と生きる」第15章
地域で支える・2認知症カフェ
認知症と生きる 地域で支える[15章B] 2認知症カフェ
講義内容の整理
認知症になっても安心して暮らせる街にするためのいろいろな取り組みが、各地で行われています。
オレンジプランという厚生労働省の策定した5カ年計画でも、地域での生活を支えるということがキーワードとなっています。
ここで紹介されているのはそれらの取り組みのなかで、
「地域での日常生活・家族の支援の強化」
の中の活動のひとつである、「認知症カフェ」という活動です。
認知症カフェ
認知症カフェとは、認知症の人だけでなく、その家族や地域住民など誰もが参加できる場所の提供です。
いま日本各地で取り組まれている活動ですが、ここでは福井県で認知症カフェの活動に取り組んでいる方のお話しの紹介がありました。
・この認知症カフェとは
どのようなものでしょうか
厚生労働省が進めているもので、認知症の人やその家族が気軽に集まれるカフェのことです。
開催している「トマリギ」は、誰でもいつでもここに立ち止まれる、そんなカフェでありたいという意味です。
認知症の人や、介護に疲れた家族の人の癒しの場となる、そんな場所にすることが目的です。
・この「トマリギ」を
始めたきっかけは
もともとは、「認知症サポーター養成講座」を開催していて、そこに来る人の動機を知りたいという思いでした。
相談ブースでお話しを聞く中で、悩みや不安というものを知ることができました。
・どういう動機で
来る人が多かったですか
多かったのはお父さんやお母さんが認知症ではないかという不安と、その介護に関しての不安でした。
・他に
一緒に運営している人は?
医療、介護、福祉に携わる医師、看護師、社会福祉士の方の他、ボランティア、認知症サポーター、傾聴ボランティア、地域のボランティアたとえば婦人会の人、育成会、NPOたとえば子供支援のNPOなどの方々など、今、たくさんの人々の協力でやっています。
・この「トマリギ」を
お寺で開催した時の狙いは
以前、「トマリギ」の中で住職に説法してもらいました。この住職の方の希望で「寺カフェ」をやりました。
住職が、お寺も地域の人のコミュニティの場にしたいということで、寺カフェをやったのです。
・認知症というキーワードの下
自由に集まれる場所があることの
大切さは何でしょう
自分の家族が認知症になった時に、最初に相談に行ける場所になれることです。ここで「地域包括支援センター」の存在などを知ることができます。
多くの人に集まってもらい、認知症の現状について話し合えれば、暮らしやすい地域になると思います。
★以下は講師の先生の解説です。
ここで紹介した認知症カフェは、期日を決めてイベントとして行っています。
地域によっては、それぞれに違った形で行われています。
本当に喫茶店のように気楽に行ける、そんな感じで認知症に触れることのできるための活動が、今あちこちで行われています。
そして、こうした活動により、地域で認知症の人やその家族を支えるための動きが高まっています。
受講生の方も、近くに認知症カフェがあるかもしれませんので、探して、行ってみてください。
この講義を受講して
この講義を受講する前は、認知症という言葉は知っていても、認知症の実態や症状など詳しいことは分かっていませんでした。
自身や家族が認知症になっても、しばらくは互いにイライラしたり腹を立てたりしながら、困った状態のまま暮らして、いよいよになるまではそのままに違いなかったと思っています。
友人に「今、放送大学で『認知症と生きる』を勉強している」と言ったら、「え~っ」と、ちょっと驚かれてしまいました。
私が認知症になりかけているのでは? といった目で見られたような気もしました。
ただ同時に、私自身も地域での何らかの集まりがあっても、いままではそれが何の集まりかをあまり気にしたこともありませんでした。
もしかしたら、認知症カフェ的な意味合いのあった集まりだったのかもしれません。
友人や兄弟と認知症に関してちょっと話しただけの感じでは、まだまだ認知症に関しては怖いけどよく分からない、という状況にあるように感じています。
高齢化社会に向けて、これからしっかりと認知症というものを勉強したいと思います。
参考
(認知症と生きる 地域で支える[15章A] 1取り組み)
(認知症と生きる 地域で支える[15章B] 2認知症カフェ)
(認知症と生きる 地域で支える[15章C] 3安心の条件)
(認知症と生きる 地域で支える[15章D] 4プロジェクト)
(認知症と生きる 地域で支える[15章E] 5サミット)
(認知症と生きる 地域で支える[15章F] 6企業)